NE(441A)が11月4日、グロースに新規上場する。
Hamee(3134・S)による株式分配型のスピンオフ上場。コマース事業でスマートフォンケースやイヤホンケースなどのモバイルアクセサリーを展開するHameeと、主にSaaS型EC(電子商取引)支援プラットフォーム「ネクストエンジン」を展開するNEと、構造の大きく異なる二つの事業を一つの企業体として運営する中で、特に「プラットフォーム事業に対する適正な評価の確保」の観点からスピンオフに踏み切った。
10月31日を基準日として、Hameeの株主にNE株式を現物配当の形で交付する。権利付最終日は10月29日。なお、Hameeの創業者および創業者の資産管理会社は本スピンオフ後もNE株式を長期的に保有する方針。
株式分配型のスピンオフ上場は2020年にカーブスHD(7085・P)がコシダカHD(2157・P)から分離、24年にシマダヤ(250A・S)がメルコHD(現バッファロー、6676・S)から分離した例がある。
主力の「ネクストエンジン」は、EC事業者向けにネットショップ運営に係る受注処理や在庫管理などの業務を可能な限り自動化すると同時に、管理システムの異なる複数のECモールのデータを自動で取り込むことで複数店舗の受注処理や在庫状況を一元管理できる。
基本料金はユーザーであるEC事業者の事業規模(受注件数)に応じた従量課金制をとっており、ネクストエンジン上の各種アプリについてはアプリごとの定額料金制(一部従量課金制)としている。今年4月末時点の契約社数は6,570社(前事業年度末比314社増)、利用店舗数は5万3,602店(同3,131店増)、利用店舗の取引総額は1兆1,879億円(同762億円増)に上る。
このほか、ネクストエンジンのデータとノウハウを活用し、EC事業者の売り上げ向上を支援するコンサルティング事業、地方自治体向けふるさと納税支援サービスと伝統工芸品のEC販売事業を展開するロカルコ事業を手掛ける。コンサルティングサービスによってEC事業者のフロンドエンド(売り上げ拡大)を支援し、ネクストエンジンでバックエンド(業務効率化)を支援するという、フロントと管理両面に対して一体化されたサービス体制であり、好循環なビジネス構造を実現している。
また、昨年4月に事業譲受により取得した伝統工芸品のEC販売事業は、将来的には新規事業として機能開発に取り組んだBtoB卸売マーケットプレイスを包含した「グローカル・コマースプラットフォーム(※)」を確立し、事業領域をグローバルへと拡張する方針。
※グローバル(世界的な)とローカル(地方的な)を結びつけるプラットフォームを体現する造語(SS)
概要
●事業内容=SaaS型EC支援プラットフォーム「ネクストエンジン」の運営、ECコンサルティング事業、ふるさと納税支援など地方創生事業
●本社=神奈川県横浜市港北区新横浜3-2-3
●代表者=比護則良代表取締役社長CEO
●設立=2022年5月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,650万1,001株(上場時)
●筆頭株主=Hamee(上場前97.60%)
●公募株式数=50万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで7万5,000株
●仮条件=10月15日に決定
●ブックビル期間=10月17日から10月23日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、楽天
業績推移(単独)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2024.4 | 3,768 | 1,588 | 64.55 | 19.37 |
2025.4 | 3,925 | 1,524 | 58.75 | 17.50 |
2026.4(予) | 4,201 | 1,469 | 59.95 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |