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IPO2020年9月10日

新規上場紹介 キオクシアホールディングス 10月6日 東証 半導体メモリーの大手

キオクシアホールディングス(6600)が10月6日、東証に新規上場する。上場市場は、公開価格の決定(9月28日)後に1部か2部かが決定する予定。

キオクシアを含む傘下会社の管理・監督機能のほか、M&Aを含むグループの経営戦略の策定、資源配分、リスク管理および資金調達などの機能を担っている。

東芝メモリからの単独株式移転で2019年3月にキオクシアは設立された。同年10月にブランド名を「キオクシア」に刷新したことに伴い、社名を変更した。キオクシアは、日本語の「記憶(KIOKU)」とギリシャ語の「価値(AXIA)」に由来する。

旧東芝メモリ設立以前の東芝時代の1987年4月に、世界初のNAND型フラッシュメモリーを発明。07年に大容量化、高速化などを実現した3次元フラッシュメモリー技術を開発した。

半導体メモリー(フラッシュメモリー)がコアデバイス。HDDよりも読み出しスピードが速く、消費電力の低い記憶装置であるSSD(ソリッドステートデバイス)などのストレージメモリーや、スマートフォンやタブレットなど携帯機器向けフラッシュメモリー、SDメモリーカードおよびUSBメモリーなどの製品を製造・販売している。

21年3月期の第1四半期(4~6月)においては、新型コロナウイルスの世界的なまん延による影響を受けて、半導体メモリー業界も消費活動の落ち込みなどにより、スマホ向けの需要が低迷した。一方で、在宅勤務やオンライン学習などの拡大に伴い、データセンター・エンタープライズ(大手企業)向けの需要やノートパソコン向けの需要の増加がみられた。第2四半期(7~9月)に入ってからは、落ち込んでいたスマホ市場において例年同様、年末商戦に向けた新規機種リリースによる一定の需要回復が見込まれることや、SSD搭載の新ゲーム機のリリースも年末商戦に予定されている。このため、新たなフラッシュメモリー市場の創出が期待されるなど、メモリー市場には好材料もあるとしている。しかし、新型コロナの影響、米中貿易摩擦などの懸念があり、先行きは不透明な状況が続いているという。

19年10月に岩手県北上市の工場の新製造棟が竣工して生産を開始。四日市工場とともに、生産効率の改善などコスト競争力の強化を進めている。また、今年7月には台湾LITE-ONテクノロジー社のSSD事業を営むSSTC社の全株式を取得。今後も成長が期待されるSSD市場での競争力強化を図っている。

概要

●事業内容=メモリーおよびSSDなど関連製品の開発・製造・販売事業などを営むグループ会社の経営戦略策定および管理
●本社=東京都港区芝浦3-1-21
●代表者=早坂伸夫代表取締役社長
●設立=2019年3月
●上場前資本金=100億円
●発行済み株式数=5億3,906万2500株(上場時)
●筆頭株主=東芝(上場前39.59%)
●公募株式数=2,156万2,500株
●売出株式数=6,606万8,900株(ほかにオーバーアロットメントによる売出が788万6,900株)
●仮条件=9月17日に決定
●ブックビル期間=9月18日から25日まで
●引受証券=三菱UFJモルガン・スタンレー、野村(主幹事)、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、SMBC日興、大和、みずほ、クレディ・スイス、松井、マネックス、楽天、SBI

業績推移(連結)

売上収益 営業利益
2020年3月期 9,872 ▼1,731
2020年4~6月期 2,675 147
2020年7~9月期(予) 2,980~3,300 0~300
※単位億円、▼は損失

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