幼少期、祖父宅で夜になると洗面所に現れる、グラスに浮かぶ部分入れ歯が不思議でなりませんでした。先日、久しぶりに同様の光景に出会い、グラスから専用ケースに変わってはいたものの、30年経った今も部分入れ歯の洗浄方法が当時とほとんど変わっていないことに衝撃を覚えました。

叔母にその話をすると、浸しているだけに見えて実は、金具に留意して入れ歯専用ブラシで優しく磨く、入れ歯洗浄剤をぬるま湯に溶かして洗浄液を作り浸す、指定の洗浄時間が終了したら洗浄液を落とし再度軽く磨く、などの工程があり、それでもぬめりやにおいがとれていない時もある、と教えてくれました。洗浄剤も、最も普及している発泡作用ある過酸化物系、酵素の働きを利用した酵素系、最も殺菌力が強い次亜塩素酸系などあり、選ぶものによって安全性や漂白作用に差がでるとのこと。高齢者の入れ歯洗浄不足による肺炎発症リスクの高まりが昨年東北大学から発表された今、もう少し簡単にケアができないものかと調べてみました。

すると花王(4452)が10月3日に入れ歯に直接泡を吹き付け5分置くだけで臭いや汚れを取り除き、99.9%という高い除菌効果も発揮する「ディープクリーン シュッシュデント」を発売するという記事を発見。風呂用洗剤や、カビ取り剤のような馴染(なじ)みのある形状で、直接ひと吹き5分で洗浄が完了するなら毎食後、外出前など気になる時に誰でも簡単に使用できます。義歯用洗浄剤市場は約140億円、その中で錠剤タイプが97%を占め、今や入れ歯手入れの常識となっています。花王だからこその革新的な技術により、高洗浄と圧倒的な簡便性を両立させた『ディープクリーン シュッシュデント』は新しい入れ歯洗浄習慣を提案し市場を席巻することが出来るのか、期待しながら注目しています。