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コラム2021年3月12日

竹中三佳の株Catch one’s eye Part.360 テクノロジーで挑む、離島の医療問題

五島列島で生まれた私にとって、うれしいニュースが届きました。これまでも高齢化が進む離島ならではの課題を記事にしてきましたが、なかでも切実なのが医療問題でした。総合病院のない二次離島からの通院となると、丸一日を要したり、悪天候による船の欠航やそもそも足腰が弱り通院が困難だったりと、高齢になればなるほど通院一つとっても課題が山積していました。

そんな中、国土交通省によるスマートアイランド推進実証調査の一つとして、昨年11月、往復約10キロメートルの福江島~嵯峨島間における遠隔診療、遠隔服薬指導と、ドローンによる処方薬の配送実証実験が成功。それに続き今月22日から往復約32キロメートルと距離を伸ばした福江島~久賀島間でもドローンを用いた医薬品配送の実証実験を実施するとの発表がありました。

前回に引き続きANAホールディングス(9202)がドローンの遠隔運航管理、配送通知を含む配送管理システム、実証総括を、NTTドコモがドローンの上空飛行に係るLTEネットワークの提供、および上空の電波状況を考慮した運航計画の策定支援を、そして今回新たに武田薬品(4502)がドローンを活用した処方せん医薬品および医薬品流通シナリオの策定、医薬品卸の調整を担当するとのこと。

通常定期船と陸路で45分程度かかる行程をドローンにより約10分で、処方せん医薬品を配送する実証で、オンライン診療モデルのシナリオ1と、緊急配送モデルのシナリオ2とで構成されているそうです。

2018年よりドローンなどを用いた無人物流実証事業を継続して実施してきた五島市。第4段となる今回の実証も成功させ、市民の生活利便性向上の一歩とすることが出来るのか、各社との実証後の協業含め注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

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