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コラム2025年5月30日

竹中三佳の株Catch one’s eye Part.560 ローソン、好業績支えるPB商品戦略

「コスパ」「タイパ」ニーズ捉えヒット

前回紹介したセブンイレブンの「7プレミアム 麻辣湯(マーラータン)」を各所で薦めていたところ、友人が「双璧を成す逸品がある」とローソンのオリジナルブランド カップラーメン「スープ激うま!」シリーズを教えてくれました。最大の特徴は、あえて「具なし」にすることで、スープの味に全振りしている点。

彼女のお薦めは「激辛味噌ラーメン」。唐辛子の刺激と濃厚な味噌(みそ)のコクがクセになる一杯で、昨年10月の発売直後から完売続出。先月好評に応えるかたちで再販されてなお、品薄状態が続き、なかなか購入できないと力説してくれました。

このシリーズは、消費者の「高品質なカップラーメンを手頃に食べたい」という声を受けて開発され、具材を省くことで、ローソンのカップ麺の平均価格である約250円以下を実現。第1弾は「激辛味噌」と「濃厚豚骨」、2025年1月には「札幌味噌」と「京都背脂醤油」が続き、いずれも高評価を得て、半年でシリーズ累計600万食を突破しています。

さらに注目すべきは、このヒット商品がローソン(親会社:三菱商事、8058・P)の収益戦略にリンクしている点です。PB(プライベートブランド)商品の伸長は、三菱商事の25年3月期の当期利益1兆762億円(前期比+5%)にも貢献。株価も年初来+12.7%と堅調に推移しています。

「スープ激うま!」は調理時間4分で手軽に楽しめ、トッピング次第で無限のアレンジが可能。物価高の今、コスパやタイパを重視するニーズに応えながらも、食の楽しさを忘れない、そんな多くのファンを惹きつけるローソンらしい商品開発の今後に注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

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