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コラム2025年10月3日

竹中三佳の株Catch one’s eye Part.578 「有事の金」史上初の2万円突破

金鉱山持つ住友金属鉱山に注目

金価格は地政学リスクの高まりや世界的なインフレ懸念を背景に、1グラム=2万円を突破するなど歴史的な高値圏で推移しています。「有事の金」としての安全資産機能とインフレヘッジ機能の双方が働き、中長期的な金関連資産への資金流入を促している状況で、実際自分を含め、金の売買に興味を持った友人も少なくありません。

こうした環境下で注目されるのが住友金属鉱山(5713・P)です。同社は銅やニッケルなど非鉄金属を主力としながら、金鉱山事業を安定的な収益源として確保しており、金価格の上昇は業績に直結します。特に金事業はポートフォリオ全体のリスクヘッジ機能を担っており、価格変動が大きいベースメタル事業のボラティリティを緩和する効果があります。足元の金価格高騰により収益基盤が一段と安定している点は大きな強みです。

さらに同社は、「金」という安全資産のテーマと、「AI・EV(電気自動車)」という成長テーマを同時に取り込んでいます。銅はAIデータセンターの電力供給に、ニッケルやコバルトは次世代電池に不可欠です。安定した金収益を背景に、こうした未来の成長分野に戦略投資を続けられる財務基盤を有している点は見逃せません。先日も次世代パワー半導体向けの100ナノメートル耐酸化ナノ銅粉の開発を発表し、技術面でも進展を見せています。

住友金属鉱山は、マクロなリスクヘッジと構造的な成長の両輪を備える「資源サイクル再編のコア銘柄」として再評価が進んでいます。堅固な事業戦略と収益構造の改善を背景に、上場来高値更新への期待が高まるなか、今後の金相場とともにその動向に注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

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