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コラム2025年10月31日

竹中三佳の株Catch one’s eye Part.582 任天堂、商戦期に突入

「Switch 2」最大2500万台生産報道も

任天堂(7974・P)は、年間売り上げの大半を占める最重要期間である第3四半期(10~12月)に突入しました。売り上げの約8割を海外収益が占める同社にとって、歴史的な円安は極めて強力な追い風となっています。市場の焦点は、次世代機「Nintendo Switch 2」がこの巨大需要をどの程度まで取り込み、利益成長に反映できるかに集まっています。

その牽引役は既に万全です。IP(知的財産)のブランド力を示す「Pokémon LEGENDS Z-A」は、Nintendo Switch 2/Switch向けソフトとして発売初週に全世界580万本を売り上げ、驚異的なスタートを切りました。今後はブラックフライデーやホリデーシーズンに向けて、注目度の高い新作タイトルが続々と投入される見通しです。

本体の供給体制も改善が進みます。発売以降、抽選販売が中心で、TSUTAYAやヨドバシカメラなど一部店舗ではゲリラ販売も見られましたが、年末商戦を前に在庫のひっ迫は徐々に緩和される見通しです。Nintendo of Americaのバウザー社長は、「ホリデーシーズンまでには需要を満たせると考えている」と述べ、安定供給への自信を示しました。

さらにBloombergによると、任天堂は製造業者に対し、2026年3月末までに最大2,500万台の生産を要請していると報じられています。これは発売初年度として過去最高水準であり、25年末には店頭で通常購入できる可能性が高まっています。

円安による為替差益、強固な自社IP、そして次世代機の順調な滑り出し。この三拍子がそろう今期の業績動向は、来期以降の企業価値評価を左右する局面にあります。グローバル需要の取り込みがどこまで拡大し得るのか。自らの購入機会と併せ、引き続き注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

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