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インタビュー2024年3月11日

サプライズ決算を掘り下げる!! アイリックコーポレーション 勝本竜二代表取締役社長 聞き手 フリーアナウンサー 佐田志歩

2月14日に発表した2024年6月期第2四半期決算(2Q)は売上高が過去最高、利益も赤字計画から一転、黒字着地となったアイリックコーポレーション(7325・G)。好決算の背景をフリーアナウンサーの佐田志歩さんが迫ります。

――サプライズ感の大きい決算でした。

ありがとうございます。当社が手掛ける3事業ともに好調で、相乗効果も高まっています。

売上高の55%を占める「保険販売事業」では、保険ショップ「保険クリニック®」直営店舗を運営しています。昨年テレビCMを大々的に行い知名度を高めたうえで、今期はウェブマーケティングを強化したところ、来店者数が大きく増えました。ウェブサイト経由での問い合わせについては最寄りの店舗をご案内しており、この際に発生するフランチャイズからの保険手数料売上は前年同期比98.4%増と非常に大きく伸びています。

――「お金」への関心が高まっていることとも関係がありそうですね。

高金利の米ドル建て保険など資産形成を目的とする商品の販売が好調でした。一世帯あたりの成約単価も上昇傾向にあります。新NISA(少額投資非課税制度)の開始は追い風です。証券外務員資格を持ったスタッフを置くなど、アイザワ証券と業務委託契約を締結して投資信託など金融商品の提供も始める準備をしております。

――保険販売事業のほかは、いかがでしたか?

「ソリューション事業」では金融機関向けに保険商品の分析・検索など各種システムを提供しており、特に地方銀行からの引き合いが増えています。先日はふくおかフィナンシャルグループへの保険ロボアドバイザー導入をリリースしました。口座を持つお客さまへの新領域商品の提供ということで、銀行で保険を活用していただく機会は今後さらに広がるとみています。

――保険のロボアド、何ができるのでしょう?

年齢や家族構成などを選ぶだけで最適な保障プランを最短5秒で提示するなど、複数社の商品の比較が簡単に行えます。いわば保険の「入口」ですが、当社は「出口」についても新商品をリリースしました。生命保険の支払いをスムーズにする、生命保険エコシステム「生命保険給付金支払いプラットフォーム」です。

――「生命保険エコシステム」とは?

保険金の給付を受ける時は、まずは医師に診断書を書いてもらい、自分でも請求書に必要事項を記入して、これらの書類を郵送するという作業が欠かせません。しかし当社システムを使えば診断書の代わりに診療明細書をOCRで写し取るだけで保険会社への請求が完結します。郵送不要のため支払いまでの期間も最短1、2日程度にまで短縮できます。近い将来には複数の保険会社へ同時に請求をかけることをイメージしています。

――3つ目の「システム事業」はいかがでしたか?

電子帳簿保存法がスタートしたこともあり、AIを駆使した「スマートOCR」の引き合いは依然、非常に強い状態です。ただしこの領域はまだまだ成長が続きますから、先行投資が当面は続く見込みです。

――将来のストックが期待できるということですね。

そうですね。官公庁や大手企業からの受注がかなり増えていますから、楽しみな事業ではあります。直近では、手描き文字や画像を含めたすべてのデータをOCRで読み取り電子化した上で自動的に分類、検索までできる文書管理システム「DenHo(デンホー)®」(以下、DenHo)と、ExcelやWordなどOffice系ドキュメントまで網羅した「brox(ブロックス)®」(以下、brox)が好評です。

――DenHoとbroxは個人も使えますか? 私は個人事業主なので領収証の管理に今とても困っていて…。

DenHoなどは個人事業主の方も一部お使いいただけます。使いにくいところがあったら教えてください、すぐに修正しますので。

――さっそく使って「良い!!」となったらアナウンサー仲間に広めますね。最後に確認なのですが、下期、このまま好調が続くことを期待しても良いですか?

そうですね。今期、売上高75億2,400万円(前期比25.3%増)、営業利益3億7,100万円(同97.8%増)という計画を今回は据え置きましたが、変更すべき部分があればタイミングを見て発表していきたいと思います。

今期は3カ年計画の2年目で、1年目に「広告費が利益を圧迫した」というお声をいただきながらもアクセルを踏み込んだ結果が、しっかり出てきています。続く来期も目標に向かって進む姿を株主の皆さまにはお見せしつつ、利益を伸ばして配当で報いていきます。

――勝本社長、本日はありがとうございました。

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