TOP  NSJアップデート  インタビュー  【速報版】トップインタビュー DAIWA CYCLE 代表取締役社長 涌本宜央氏 自転車は“まだまだ成長”できる!! 「200店体制」へ順調に拡大中
インタビュー2025年9月18日

【速報版】トップインタビュー DAIWA CYCLE 代表取締役社長 涌本宜央氏 自転車は“まだまだ成長”できる!! 「200店体制」へ順調に拡大中

2023年11月8日のIPO時から、まさに右肩上がりの株価推移を続けるDAIWA CYCLE(ダイワサイクル、5888・東証グロース)。同社の涌本宜央社長(写真)に、自転車販売チェーン店展開という、派手さはない業態ながらも力強い成長を続ける「強さ」の秘訣を聞いた。

――株価が好調だ。最近は4,100-4,200円台(※1)と、初値1,800円から2.3倍高の水準にある。

市場の期待の表れだと感じている。もっともっと応えていきたい。とはいえ株価に一喜一憂することなく業績をしっかりつくっていくことが、上場企業としての当社の責務。まずは「200店体制」に向かって突き進んでいく。

――新規出店は前期、年間20店の計画が10店にとどまった。

用地の確保が困難だったためで、既に対策済みだ。用地取得と、その後の店舗開発とで業務を切り分けて効率化を図るなど組織改編を実施した。店舗数は7月末時点で前年同月比16店舗増の145店(※2)と順調に進捗している。

――自転車販売店は大手競合が複数ある。「強み」は?

「人」だ。当社の代名詞ともいえる「出張修理サービス」は、電話1本いただければ当社スタッフがバイクで修理に駆け付ける。お母さんが子どもを乗せて外出した先でタイヤがパンクしてしまった。子どもを背負って最寄りの販売店まで、動かない自転車を押して歩く。そんなお困り事を一つ一つ現場で解決する。自転車のプロとして「人」にしかできない真心のこもったサービスは、当社ならでは。

――確かに、壊れている自転車だからこそ修理に来てほしいのに「行く」が常識になっている。

『自転車の「新しいアタリマエ」を創る』、先代から大切にしている当社の経営理念だ。先代は、駅前に自転車が溢れている光景を見て駐輪場を作り、利用者が困っている姿を見てタイヤ修理の技術を習得した。

――時代に逆行しているが…。

私もお客様とのつながりを大切にする父親の背中を見てアナログだなぁと感じつつ、ただ、DAIWA CYCLEとして大切なことは何かを突き詰めた時、残すべきDNAであると確信した。

ちなみに、そんなDNAが「時代に逆行している」は誤解で、むしろ追い風に乗っている。自転車の中でも近年は「電動アシスト車」が伸びている。「電動アシスト車」は価格が高く、また最新機能が続々と装備される。通販などで手軽に購入するよりも、最適な商品を納得いくまで説明してほしいと感じている人が多く、当社ならではの「人」ニーズが拡大しているのだ。結果、当社では売上高に占める電動アシスト車の比率が6割と、業界平均4割を大きく上回っている。

――恩恵を受けているのは地盤の関西と、関東、中部の3エリアだけ。ドミナント戦略が進む関西がうらやましい。

当社のサービスをもっと多くの人に知ってもらいたい。これを自転車のアタリマエにすることが、当社の成長につながる。自転車保有台数に対する当社出店数の割合(※2)を考えても、特に東京をはじめとする首都圏は出店余地が非常に大きい。そのほかのエリアもゼロではないが、優先順位をつけて進めていく。

(※1)取材時点。その後9月17日には前日比220円高の4,440円と上場来高値を更新。
(※2)取材は8月28日。その後は9月12日に26年1月期8月度の売り上げ速報を発表。147店舗と、さらに2店舗増加している。
(※3)既に56店舗を展開する大阪府は自転車保有台数559万台となっており、店舗がカバーする割合は約10万台に付き1店舗となっている。一方で、これから出店を強化する東京都は約35万台に付き1店舗にとどまる。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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