売買代金トップの値上がり銘柄に注目
大納会で「値上がりした売買代金・売買高の上位銘柄」「ストップ高で引けた銘柄」は、翌年相場のリード役候補といわれている。実際はどうか。2024年大納会で条件に合致した銘柄(各市場のトップ3)の25年相場をチェックした。
プライムは8社が該当し、24年終値から25年高値までの騰落率平均は△44.8%。プライム指数のそれは△23.2%であり、単なるジンクスというわけではなさそう。
個別は表の通り、24年大納会で売買代金トップかつ値上がりしたIHI(7013)が2.4倍に躍進。23年大納会で同じ立ち位置の東京電力(9501)は翌年50%高、その前のファーストリテ(9983)は翌年41%高と好成績を収めていた。
近年、大納会人気セクター“常連”の半導体関連でランキング入りした野村マイクロ(6254)は79%高。23年大納会でランキング入りしたソシオネクスト(6526)は24年相場で2倍高、それ以前はレーザーテック(6920)が該当。大納会で人気を集めた半導体関連も翌年相場で活躍しやすい傾向があるといえそうだ。
スタンダードは該当6銘柄の24年末終値から25年高値までの騰落率平均が△106%、つまり2倍。4月の急落場面を除き上昇基調を保ったスタンダード指数の高値までの上昇率(△21.1%)を凌駕した。同様にグロースは9銘柄が該当し、騰落率平均△84.4%。グロース指数の高値までの上昇率(△25.8%)を大きく上回った。
24年末の売買代金首位かつ値上がり銘柄のメタプラネット(3350・S)は25年相場で一時5.5倍、Terra Drone(278A・G)は一時3.6倍に変貌。ただ、両市場は25年高値が24年終値を下回る銘柄もあり、特に材料浮上で突飛高した銘柄の飛びつき買いは避けたい。
足元では東京都競馬(9672・P)、群馬銀行(8334・P)など26年の干支「午(馬)」にまつわる銘柄が上昇基調。“ポニー”キャニオン親会社のフジ・メディアHD(4676・P)、“ポッカ”を傘下に置くサッポロHD(2501・P)、“ホース”つながりでクリヤマ(3355・S)といった干支銘柄を含め、26年も「万馬奔騰」の相場を期待したい。(Q)
| 2024年大納会人気銘柄のその後 | |||
| 銘柄 | 24年終値 | 25年高値 | 上昇率 |
| 売買代金トップ3 | |||
| IHI | 1,330 | 3,268 | 2.45倍 |
| 三菱UFJFG | 1,846 | 2,576 | 39.5% |
| DeNA | 3,135 | 4,093 | 30.5% |
| 売買高トップ3 | |||
| 日本電信電話 | 158 | 167 | 5.6% |
| 三菱UFJFG | ― | ― | ー |
| ホンダ | 1,535 | 1,730 | 12.7% |
| 値上がり率トップ3 | |||
| ウェザーニューズ | 3,870 | 4,870 | 25.8% |
| 牧野フライス | 10,750 | 12,820 | 19.2% |
| 野村マイクロ | 2,311 | 4,155 | 79.7% |
| ストップ高 | |||
| 牧野フライス | ― | ― | ー |
| ※IHIは分割修正数値 | |||
