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コラム2022年10月20日

企業研究 霞ヶ関キャピタル(3498・グロース) 「5年で利益10倍」へ前途洋々

23年8月期は営業利益50%増を計画

【直近決算】大幅増収増益、市場好感でS高
10月4日に2022年8月期通期業績を発表。翌日の株価はストップ高まで買われるなど内容は「順調」そのものだった。売上高は207億円と前々期実績の142億円から45%増、営業利益は同61%増の21億円で期初予想18億円をも16%上回っている。

続く23年8月期については売上高を28%増の265億円、営業利益を同50%増の32億円と、引き続き大幅増収増益を計画する。

【事業概要】土地を持たないデベロッパー
不動産デベロッパーとして「物流施設」「ホテル」「ヘルスケア」「レジデンス(住居)」「再生エネルギー」領域の開発・運営を手掛ける。

主力は物流施設。しかしこれは20年6月に立ち上げたばかりで、以前はホテルに注力していたもののコロナ禍でストップせざるを得ない状況に。新たにヘルスケアとレジデンスという種をまきつつ、ホテルについてもアクセルがようやく踏めるようになった――というのが22年8月期の期末の状況だ。

各事業の状況はプロジェクトパイプラインを見れば一目瞭然。ホテルを除く全ての領域が拡大しており、22年8月末時点で計約2,000億円。前年同期は1,000億円にも満たなかったものが、件数も28件から43件へと、ほぼ倍量に積み上げてきている。

【中期計画】達成確度を市場が認識
昨年10月に策定した中期経営計画には「5年後の姿」として「営業利益200億円、純利益100億円」を掲げている。発表当時は営業利益、純利益ともに10億円程度。5年で10倍という目標にマーケットはざわついたものの、今回の通期決算で達成確度の高さが共有されたかっこうだ。

ちなみに中期経営計画に掲げる営業利益200億円の達成時にはパイプラインは6,000億円程度まで積み上げる必要があるようだが、足元の2倍成長を考慮すれば、こちらも順調に進捗していると言えよう。

「物流事業」
パイプラインは土地確保済みを含めて15件、約1,000億円規模。物流専門Jリートと同レベルのサイズにわずか2年間で育て上げた「スピード感」と、時流を捉えた「経営判断」こそが同社の強み。

同社はデベロッパーではあるが土地を6カ月程度とごく短期でしか保有せず、代わりに外部からの資金を活用している。結果、一案件当たりの利益は減っても回数をこなすことで、効率良く、かつ、リスクを回避しながら資金を回すことができている。ホテルから一気に方針転換ができたのも土地を保有せず、資金をすぐに物流へと振り向けることができたため。

なお、同社の施設は冷蔵冷凍倉庫がメイン。小売店などで冷凍食品の需要が拡大していること、世界的な環境規制によって冷凍冷蔵庫の仕様が様変わりすることなどを念頭に置いて着手している。

「ホテル」
3人以上のグループ旅行者向けにFAV HOTEL(ファブホテル)を展開。既存施設が2人利用を想定しているため潜在需要は膨大。コロナ禍でも稼働率は平均44%と全国平均23%を大きく上回り、地元飲食店にフロント機能を含めて業務を委託するなど徹底したコスト管理とも相まって黒字経営を維持している。海外超高級ホテルを数々担当する有名デザイナーに内外装を依頼するなど、美的センスにあふれた物件も拡大中。8月現在、稼働は7件、開業準備中が5件。さらに7件のパイプラインを抱えている。

「ヘルスケア」
終末期医療用施設ホスピスに参入。7月に1号案件が札幌で開業。現在は4件を開発中。今後は年間10件ペースを計画する。

「レジデンスファンド」
現在は投資家に注目されていない地方の一等地などを個人でも購入できるような仕組みづくりを目指す。デジタル証券というかたちで一口数万円での売買が可能になれば地方は今よりもっと活性化する。三井物産の子会社と共同で取り組むことを9月に発表している。

※本稿は2022年10月7日に大阪市内で開催された個人投資家向け会社説明会における霞ヶ関キャピタル河本幸士郎代表取締役社長の講演内容からポイントを抜粋したものです。