TOP  NSJアップデート  インタビュー  億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!<第5回―②> 「アクティブ元年・日本株ファンド」古賀直樹氏
インタビュー2022年1月27日

億り人Zeppy井村俊哉が聞く!!<第5回―②> 「アクティブ元年・日本株ファンド」古賀直樹氏

個人投資家で“億り人”の井村俊哉氏による対談。スゴ腕の投資家たちがひそかに注目するという「アクティブ元年・日本株ファンド」を運用する三井住友DSアセットマネジメント運用部の古賀直樹シニアファンドマネージャーに運用方針などを聞いた。1月21日付に続く第2話。

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井村 銘柄選択ですが、市場の物色がこれから向かいそうなところをうまく先回りでピックアップしているような印象、かつ、ハイグロースからバリュー、半導体、ウィズコロナ、化学などと、実に様々なタイプの銘柄に投資している印象を受けます。例えばスノーピーク(7816)は、こうしたテーマの混在から生み出されたアイディアなのだろうとお見受けしました。

古賀 スノーピークは2015年のIPO(新規上場)時から注目していました。おもしろい会社だなと。ようやく時代が来た。

井村 しかし株価はさすがに上がりすぎでは? ウエート変更に対する考え方はどうでしょう?

古賀 投資判断の中でウエートのコントロールは非常に重要。将来的に期待をしていても割高になってくればウエートを落としたり、逆に割安なら買い増しといった対応はしている。ただしターゲットプライスは市場環境などによって変える必要が出てくることもあるし、企業価値も絶対的なものではない。その場その場でしっかり判断をしていく。

井村 大手の運用会社だと途中でターゲットプライスを変えるときには、まず決裁権者に「類似銘柄がこのような変化をしているからバリエーションを変えたい」などと報告書を出して判断をあおぐといった作業があります。

古賀 「アクティブ元年・日本株ファンド」は各ファンドマネージャーの投資判断が反映されるようにしています。。

井村 その上に、殿上人みたいな存在は?

古賀 殿上人やカリスマ・ファンドマネージャーなどはおらず、私を含めた運用担当者4人がフラット。アイディアを持ち寄って一つのポートフォリオを作る。各自が責任を持って判断しています。コロナ禍の有無に関わらず変化が激しい今の時代では、一人の判断だと勝ち続けることはむずかしい。

井村 今流行りのサスティナブルっていう考え方でもありますね。

古賀 銘柄選択、つまり、どんな企業に投資するのか。私たちが個人投資家の皆さんにお伝えしているのは「少し先の未来において企業価値が高まっている、または市場評価が高まっている企業」。グロースだとかバリューだとか特定テーマだとかではなくて、あくまで株式投資ですから、企業がどれだけ社会に貢献して、その対価としての利益がどれだけ積み上がっていくのか、その成長を取っていくかを見極める努力をしています。

井村 少し先ってどのくらいですか? 自分は2、3年です、PL(損益計算書)がなんとなく予想がつく期間なので。

古賀 企業は5年、10年先を見据えて2、3年先の中期経営計画を考えるので、企業価値を見極めるベースとしては2、3年先というのが一つ。ただ、半年後でも何かカタリストがあるのであれば、それを知ったのであれば、そこはもちろんとりにいく。だからこそ「少し先の未来」という言い方をしています。

井村 自分が見かけたアレンザホールディングス(3546)はまさにそうなんでしょうね。当時の来店客数がものすごいことになっていたのは取材で把握できたと思うんですけれども、バリエーションもすごく安かった。少し先の未来はもちろん、目の前の決算といったカタリストも良いということで、ウエートを上げた、ということだったのでしょうか?

古賀 アレンザホールディングス自体は会社が複数統合する中で、そこで自分たちのバリューを高めるような規模の経済を生かした仕入れだったりビジネスというストーリーがあり、結果、ホームセンターという成長市場ではない中でもしっかりシェアをとっていく、利益を伸ばしていくという形が作れつつあったので、注目していました。

井村 そこに波が、大きな波が生じた、ということですね。いやぁ不思議だったんですよね、ちょうどいいカタリストが来る前にうまいことやってるから、あやしいというか(笑)。そもそも有望な銘柄を数百とピックアップしてあって、それに時代が、後から追いついてくるみたいな形でバーンとモメンタムが入った――ということですね。

(続きは2月4日付に掲載いたします)

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