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インタビュー2024年3月21日

医療DXで躍進 CEホールディングス 齋藤直和代表取締役社長CEO 聞き手 フリーアナウンサー 八木ひとみ

電子カルテシステムなど、国策ともいえる医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の先進企業、CEホールディングス(4320・S)。好業績の秘訣について、フリーアナウンサーの八木ひとみさんが直撃した。

――御社の主力事業の電子カルテシステムは具体的にどういったものなんでしょうか。

八木さんが病院で診察を受けると、医師は症状を聞いて記録するとともに、検査や処方する薬を電子カルテシステムに入力する。それが瞬時に検査をするなら検査部、薬を処方するなら薬剤部、院外処方の場合は院外薬局に伝達される。こういうことを全部連動させているんです。病院の中で患者に関わる情報を制御して伝達する非常な重要な仕組みになっています。患者さんが目にするのは受付と診察だけですが、その後ろで大きな情報のやり取りがあるのです。

――それを使っている病院、クリニックはどのくらいあるのですか。

ベッド数が20床以上ある医療施設を病院、20床未満をクリニックといって、病院は全国で8,000、クリニックは10万ぐらいあります。弊社は主に病院の電子カルテシステムを担っています。直近の導入実績は922施設ほど。8,000のうち大体10%ぐらいになります。業界のシェアは常にトップ3に入っています。

――高いシェアを保つための御社の強みはどこにありますか。

病院のシステムは止まると大変なことになります。遠隔でネットワークで管理する仕組みはありますが、機械が故障すると現場に行かなければなりません。全国にそういうことをサポートしてくれる販売パートナーの方々がおり、販売と同時に保守、サポートをしてシステムが止まらないようにしてくれるというのが大きな強みと思っています。

もう一つ、病院は同じベッド数であっても、そのうち何割かは介護や療養をしていたりと、病院によって機能が異なるんです。そこに一律同じシステムを持って行ってもなかなかうまくいかないんです。病院には検査、給食、薬剤などいろいろな部署があります。その部署の業務を担う専門のシステムを部門システムと言いますが、電子カルテシステムベンダーの中には、それを全部1社で提供し、他社の部門システムは使わないというところもある。一方、当社は、部門システムをお客さんである病院に選んでもらって、病院のニーズに合うものを提供し、それとつなぐ。その実績は多分われわれが一番多いと思います。

――病院側からすると、自分たちの特性に合わせたシステム作りができるということなんですね。

また、電子カルテシステムは、データを扱って、かつ病院全体のワークフローを制御している仕組みです。実は参入障壁が非常に高いのです。ノウハウが大事ですから、いきなり参入してきて、この部分だけやりたいというのは難しいです。さらに、スイッチングコストが大きく、参入障壁は高いのです。

――今後はどのような成長戦略をお考えですか。

電子カルテシステムのシェアを伸ばしていくことは当然やるべきことです。また、医薬品・医療機器の開発支援も行っています。特にわれわれが力を入れているのは治験の際、CTやMRIで撮影した画像を解析し、認証取得までサポートする領域で、弊社グループのマイクロンという会社はアジアの中でも非常にランキングの高い企業です。もう一つ、最近はソフトウエアも医療機器の扱いになっていますが、この許認可の仕組みが薬や機会と違ってちょっと特殊なんです。この申請支援でもトップの実績を持っています。ニッチな中でも非常に高い価値を持った会社がグループ内にあります。

また、デジタルマーケティング支援も行っています。患者と病院をつなぐのが目的で、この領域はこれから伸びていくと思っており、今は医療に限らずやっていますが、ゆくゆくはそういうところも含めて強化していくのが、一つの成長の柱かと思っています。

――中期経営計画を最近、出されたそうですね。

電子カルテシステム、医薬品・医療機器の開発支援、デジタルマーケティングに加えてもう一つの柱があります。これらをつなぐのにスマートフォンのようなデバイスを患者さんに持ってもらう。マイナンバーカードをスマートフォンに搭載できるようになりましたが、スマートフォンを健康保険証の代わりに持っていける。そうすると現場でスマートフォンの利用機会がこれから増えてくるので、これが4つ目の柱になると考えています。

――数値目標はいかがですか。

中期経営計画では2026年9月期の売上高200億円、営業利益21億円という目標を立て、それに向けて先ほどの4つの事業を伸ばしていこうと考えています。

――その先はいかがですか。

医療DXのポイントはデータなんです。国が推進している医療データの利活用に取り組み、様々な課題解決、それに向けて今までにないサービスを提供したいと思っています。

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