金融庁は8日、8月のネットでの証券口座乗っ取りによる不正取引件数は562件、売買金額は514億円だったと発表した。累計の不正取引件数は8,733件、売買金額は6,770億円に上る。
7月と比べて件数は332件減少したものの、売買金額は41億円増えた。国や業界が対策を呼びかけているものの、被害金額ベースでは6月から2カ月連続で増えている。
一方、日本経済新聞によると、楽天証券は5月上旬に多要素認証に複数の絵文字を入力する方法を導入したところ、被害件数がゼロになったという。証券会社の効果的対策で防げる一方、コストの問題もあり、証券会社間で対策に差が出てしまう可能性もある。実際、不正取引が発生した証券会社は5月の16社から8月は7社に減少している。利用者がセキュリティ面で証券会社を選ぶケースも出てきそうだ。(HS)