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銘柄・相場情報2021年10月21日

<相場を読む> 日経平均は年内3万3000円も

中間決算でマインド変化

ストックウェザー「兜町カタリスト」編集長 櫻井英明氏

「この指とまれ」に、つられるな!!
10月の日経平均は波乱のスタートとなりました。「米国の金利が上がっているから株が下がり、日本の株が追随して下がった」という解説が多かったと思います。毎朝毎朝こればかり聴いていると、ああそうだね、となりがちです。しかし、金利も株も同時に上がることもあって、ということは、この説は本筋じゃないよね?と。ニューヨークから伝わることを真に受けていては本筋を見誤ってしまいます。

中国の恒大集団の件もそう。債務不履行が起きたら大変だと言われている中で、中国は1週間、国を挙げて休暇に突入。株価は上にも下にも行かない。「だから中国株の代わりに日本株を売っている」という声がありましたが、再開後の上海市場はプラスで推移しています。

それよりも、多くの人は気にしていないようですが、10月1日、日経平均採用銘柄の1株当たり利益が100円減りました。どの企業も大幅減益も下方修正も発表していません。となると理由は3銘柄の入れ替え。キーエンス、村田製作所、任天堂が採用されて、代わりに日清紡HD、東洋製缶、スカパーJASTHDが除外。結果100円下がった。機関投資家たちにしてみると「魅力が減ったよね」ということが、おそらく原因だったと推測されます。

「下げで買い、上げたら売り」を徹底
気まぐれに振り回されて右往左往するのはよくありません。市場関係者に多いのは、上がって強気、下がって弱気。そうではなくて「上がったら警戒、下がったら仕込み場探し」、つまり逆張りが正しく儲ける方法なのです。

「山より大きな猪」は出ません。25日移動平均から8%、上にカイ離したら一旦、天井で、下にカイ離したら底だよね、このレベルで事足りるかと思います。もちろんリーマン・ショック級の出来事も発生しますが、頻度は10年に1回程度と考えていいかと思います。

参加者と景色は「様変わり」している
近年、株式市場に参加する人たちには変化が出ています。数年前に「2000万円ないと老後は暮らせないよ」と盛んに言われはじめたことで、若い人たちが蓄財に励むようになった。株や投資のセミナーに行くと土日はご夫婦や若い女性一人といった層が増えている。リーマン・ショック以前から株式投資をされている方、バブルを知っている方は「株は上がらない」で30年間きたけれど、それ以降に投資をする人たちは株価上昇を見ています。180度違う相場観を持っている参加者が混在しているのです。

日本経済と東京株式市場を「信じよ」!!
今年のポイントは8月の上放れでした。その後は9月に一服、10月が底値、そして11月に反発して、12月はメデタシメデタシといったところを予想しています。おそらく決算発表が始まると風景が変わると思います。
9月のメジャーSQは3万85円と、1990年6月の3万3436円以来の水準まで来ました。10月は2万8098円と言うところに向かって徐々に高値を切り上げていくかと思います。そうは言っても抵抗線があり、調整は発生しますが、これまでの30年間、日本の投資家が悩み続けた「高値」を抜けた後は「青天井」になってくることが想定されます。

※本稿は2021年10月8日に開催された日本証券新聞個人投資家向け株式セミナーin大阪での講演の内容を抜粋したものです。

プロフィール
さくらいえいめい・株価情報サイト「ストックウェザー」で毎日配信される「兜町カタリスト」編集長。ラジオNIKKEIでは火曜「ザ・マネー 櫻井英明のかぶとびら」、木曜「櫻井英明のシン投資知識研究所」などに出演。日本証券新聞が主催する個人投資家向け株式セミナーの講師としても活躍中。次回は12月3日の金沢セミナーに登壇予定です。

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