関西地盤の警備保障会社の東洋テック(9686・S)が続騰し、連日の新高値。同社は機械警備をはじめ、輸送警備やホームセキュリティを手掛けており、ビルメンテナンスや不動産事業も展開。警備が主力の上場会社では唯一の関西基盤の企業として、開催中の大阪・関西万博でセキュリティチェックや雑踏警備などの業務も請け負っている。
今年4月には2027年度を最終年度とする中期経営計画を策定。28年3月期の業績目標として売上高400億円(25年3月期は349億円)、営業利益20億円(同10億4,900万円)などを掲げた。「筋肉質な企業体質への転換(量の拡大から質の向上へ)」とのスローガンの下、警備・ビル管理を中核とした「総合生活安全企業」への進化を目指す。事業戦略面では物価上昇に対応した適正な価格設定や、警備・清掃業務におけるデジタル化対応のほか、新たな成長領域への進出により万博後の事業の柱を構築していく。
株価を意識した経営も実践する考えだ。株価は7月に入って水準を切り上げたものの、PBRはなお0.8倍程度にとどまっている。今後は既存事業の収益改善やM&A投資の加速による成長戦略の実行、および配当政策見直しなど株主還元を強化することで、株価を2,000円水準まで引き上げてPBR1倍割れの解消を目指す。
30日開示した25年4~6月期業績は売上高が前年同期比55%増の117億円、営業利益は9億1,200万円(前年同期は400万円)で着地した。万博の寄与により主力の警備事業が大幅増収・増益となったほか、ビル管理事業の収益性改善も利益を押し上げた。営業利益は四半期ベースでの過去最高を更新。前期比92%増の20億1,500万円に据え置いた通期計画に対する進捗率は45%に達しており、一段の利益上振れへの期待が高まっている。(NA)