今回はデジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916・P)の市川聡社長。同社は業務系・組み込み開発を安定基盤とする独立系IT企業で14期連続増収増益を達成。Web改ざんを瞬間検知・瞬間復旧するセキュリティ商品 WebARGUS「ウェブアルゴス」や、働き方改革を支援する業務自動化プラットフォーム商品 xoBlos「ゾブロス」といった独自商品でさらなる成長を図っている。6月28日に函館市で開かれた「はこだて未来投資会議」に参加された際に同行し取材させていただいた。
はこだて未来投資会議とは?
地域創生の加速、ビジネス・イノベーションの促進、新たなビジネスモデル創出、地域資源の活用による企業成長支援などを主眼として函館関係者に参加していただいたイベントです。会議では当社の函館での取り組みを紹介するとともに、函館の企業や学生に向けたパネルディスカッションを行いました。多くの来場者にご参加いただき、会場は満席となりました。
当社は2013年に愛媛県松山市に事業所を開設。地元IT人材の採用により60名超の規模に成長しています。私が函館の高校の卒業生というご縁もあり、函館での事業展開を目指し、函館市の潜在力に着目。函館市役所の協力を得て23年11月に「DX(デジタルトランスフォーメーション)ビジネス研究室函館分室」を設立。24年1月から活動を開始しました。函館を拠点に地域活性化への取り組みを進めていましたが、並行して北斗市とも24年2月にDX推進連携協定を締結。DX推進で地域振興に協力することとなりました。函館分室開設時に掲げた将来的な60名以上の雇用計画の達成を目指し、地域振興に努めています。
なぜ今あえて函館に進出したのかという視点からディスカッションを展開しました。首都圏との違いや、函館ならではのビジネスチャンス、地域資源の活用可能性など、実際の進出背景や体験を交えて、函館の「今」の魅力についてはこだて未来大学の教授や行政の担当者に熱く語っていただきました。
「学生時代に何を学ぶべきか」「起業に至るまでのプロセス」「失敗や苦労から学んだリアルな体験談」、さらに「起業時に活用できる補助金・制度などの支援体制」まで、起業を考える若者にとって実践的なヒントを幅広く共有していただきました。
今後の展望は?
今回の会議で得られた参加者の声や議論をもとに、当社は引き続き函館地域での事業展開を強化していきます。特に、地域人材の採用や教育、産学官連携によるプロジェクト創出を中心に、持続可能な地域経済モデルの構築を目指します。また、今後も地域の関係者と連携しながら、定期的な情報発信や意見交換の場を設け、共に成長していく仕組みや環境づくりに取り組んでまいります。
櫻井英明(さくらい・えいめい)氏
最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評がある。ラジオNIKKEIでは火曜「ザ・マネー 櫻井英明のかぶとびら」、木曜「櫻井英明のシン投資知識研究所」などに出演。
同社の事業と協調した格好での取り組みが興味深かった。特に北斗で見学させていただいたAIドローンの開発や北斗発信のコンテンツなど地域と地域が結び付いた成長をしている印象だった。人が足りない、金が足りない、様々な障壁はどこにもある。それでもそれを跳ね返して世界最先端と言える技術を開発していく姿を多くの企業は見習うべきだろうと感じさせられた。進歩を続けるデジタル社会(変化)をITの力(対応力)で支え、人々の生活を豊かにというのが同社のパーパス。MLBの大谷選手のような50-50-50の、目標数字(売上高500億円(500billion)以上、営業利益50億円以上、配当性向50%以上)の実現が楽しみだ。