ダスキン(4665・P)が展開するミスタードーナツが創業55周年を記念して発売した新商品「もっちゅりん」が、異例の盛り上がりを見せています。6月4日の販売開始以降、全国で売り切れが続出。公式サイトには謝罪文が掲載され、SNS(交流サイト)でも「どこにも売っていない」「平日なのに行列」といった声があふれています。

同商品は、国産のもち粉と米粉を配合した新開発の生地を使用。弾力とやわらかさを両立させた独特の“もっちゅり食感”が特長です。フレーバーはきなこ、みたらし、あずき、黒糖&わらび餅と、和素材を活かした4種類を展開。和菓子文化との親和性が、幅広い層の支持を集めています。

一部店舗では販売時間や個数を制限、モバイルオーダーでも「該当商品がありません」と表示されるなど、入手困難な状況が話題性をさらに加速させています。実際、私も平日の開店前に訪れましたが、長蛇の列を前に早々に断念。代わりに購入したポン・デ・リングも、勢いの恩恵を受けていた印象です。

今回のブームは、既存顧客に加えてSNS世代の若年層を取り込み、ミスタードーナツのブランド再活性化を示す好例といえます。高付加価値ながら効率的な商品設計は、原価面でも評価され、収益性にも貢献。期間限定販売(7月中旬まで)ながら、定番化の可能性も視野に入る完成度の高い商品です。消費が慎重になる今、「並んででも買いたい」と思わせる商品力をもつ“もっちゅりん”が、今後の主力商品となり得るのか注目しています。