アプリ内で買い物が完結
国内では長らく次の成長分野と期待されながらも定着しなかったライブコマース市場に、6月末、新たに上陸したのが縦型短尺動画プラットフォーム「TikTok」に導入されたEコマース(電子商取引)機能「TikTok Shop」です。ショート動画やライブ配信から外部サイトを経由せず、商品閲覧から決済まで完結できる仕組みで、新たな購買体験「ディスカバリー型(発見型)Eコマース」として注目されています。
「TikTok Shop」は初期費用・月額費用ゼロ、国内販売手数料は一律7%と低コストで参入障壁が低く、大規模投資を伴わない市場検証の場としても活用価値が高い仕組み。すでにMTG(7806・G)、ヤーマン(6630・P)、日清食品(2897・P)、Yogibo、KATE(花王、4452・P)、I-ne(4933・P)、ラコステジャパンなど、消費財からアパレルまで幅広い企業が参画を表明しています。
強みは、商品認知から興味喚起、購入までのプロセスをTikTok上で完結させられる点にあります。ショート動画に商品タグを付与する「買い物カート付き動画」や配信中に直接購入導線を提示する「LIVE Shopping」に加え、アフィリエイト機能を通じて数千人規模のクリエイターと連携した販促も可能です。
2024年のグローバル流通取引総額は約322億ドル(約5兆1,000億円)と前年比ほぼ倍増。17カ国目となる日本市場でも3,300万人を超えるアクティブユーザーを背景に拡大余地は十分にあります。コンテンツとECの境界が薄れる中、TikTok Shopは今度こそライブコマースを日本に根付かせることができるのか。デジタル広告、CRM(顧客関係管理)、マーケティング支援企業への波及効果など、今後の展開、成長に注目しています。
タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。