パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、7532・P)は12月16日、埼玉県熊谷市の商業施設内に、ドン・キホーテ発の新業態「Re:Price(リプライス)」1号店を開業しました。メーカーの余剰在庫や型落ち品を仕入れ、オフプライスで提供する新フォーマットとして注目を集めています。

止まらぬ物価高に直面する消費者が思わず二度見してしまうような価格設定で、スキンケア用品は最大92%、メイク用品も91%引きとされ、店内約3,000点のうち4割を美容関連商品が占めます。35年にわたり培ってきたPPIHの一括仕入れ力が、従来のディスカウントを超える価格水準を可能にしています。

食料品や光熱費の上昇が家計を圧迫するなか、私自身も美容代をどう確保するかは悩ましいテーマです。それだけに、スーパーでの買い出しついでに掘り出し物の韓国コスメやパックを宝探し感覚で手に取れる環境は魅力的です。リプライスは、学生やインバウンドはもちろん、家計防衛と自己投資を両立させたい30歳～50歳代女性の心理も的確に捉えています。

PPIHは2026年6月期以降、食品強化型ドン・キホーテ事業を軸に、10年後200～300店、売上高6,000億円規模を目指す成長戦略を掲げています。リプライスは商業施設内でのついで買い需要を掘り起こす実験的フォーマットとして、その一翼を担う位置付けです。

物価高という逆風を、得意の仕入れ力で宝探しの楽しさへと転換するPPIH。キラキラドンキや酒ドンキなど多業態を成功させてきた同社の開発力が、グループ業績にどのような波及効果をもたらすのか。その行方に注目しています。