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コラム2026年1月23日

【速報版】竹中三佳の株Catch one’s eye Part.593 資生堂 AI活用の化粧品開発プラットフォーム「VOYAGER」

共創ブランド第1号が今夏登場!

資生堂(4911・P)は2024年から本格稼働させている処方開発AI「VOYAGER(ヴォイジャー)」を活用し、香りと色で楽しむミストタイプのサンケア製品の開発に成功しました。26年夏には、研究所発の共創ブランド「fibona(フィボナ)」から発売を予定しています。

VOYAGERは、100年を超える研究活動で蓄積されたナレッジに加え、研究員間で受け継がれてきた暗黙知を含む50万件以上の処方データを統合し、独自アルゴリズムで解析するAIです。従来、研究員が試行錯誤により探索していた最適処方を、AIが自ら複数のアプローチを提案・評価・処方し、数万通りの候補から研究員が比較検討可能な数十案まで絞り込むことを可能にしました。これにより、単なる効率化にとどまらず、従来の発想にとらわれない新たな製剤発想を可能にする創造型AIとして、研究の高度化を実現しています。

今回のミストタイプサンケアは、紫外線防御機能に加え、化粧水のようなみずみずしさや香り、色調といった感性価値を同時に成立させています。生活者ニーズを起点に、AIが二相オイルからより化粧水に近い処方を提案したことに加え、資生堂の五感研究の知見を組み合わせた点が開発の要諦です。こうした人とAIの共創は、成熟した化粧品市場における差別化要因として戦略的意義を有しています。

今後は、VOYAGERの導入効果が研究効率の向上にとどまらず、新カテゴリー創出力の強化や研究人材の底上げにつながるかが焦点となります。AIの提案力により、若手研究員でも製品化水準の処方に到達し得る開発構造は、属人性の低い研究体制の構築を後押しする可能性があります。こうしたAI共創型の研究開発が、資生堂の中長期的な競争優位性と収益創出にどう寄与するのか、VOYAGERの他カテゴリーへの横展開余地と併せて注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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