セーラー万年筆「ケセラ ボールペン」
日課と言っても過言ではない台本チェック。長年の相棒は、パイロットコーポレーション(7846・P)の「フリクション」シリーズでした。摩擦熱で筆跡を透明化する仕組みは、書き直しが頻発する現場に不可欠な存在です。同シリーズは2025年末時点で世界累計販売50億本を達成し、消せる筆記具の金字塔を打ち立てました。一方で、同じ箇所を繰り返し消すと紙面が傷み、仕上がりが荒れやすいという点に悩まされてきました。
そうした中、セーラー万年筆(7992・S)が2月21日に発売したのが、新インクを搭載した「ケセラ ボールペン」です。最大の特徴は、インクを紙面から「はがして消す」という新技術。プラス、ぺんてるとの3社共同開発によるこのインクは、微細なゴム材が乾燥後に紙の表面に被膜を形成し、専用の消し具でこすると消しカス状に剥がれ落ちる仕組みです。摩擦熱を使わないため紙が傷みにくく、夏場の車内などの高温環境下で文字が消える心配もありません。書き直しのしやすさと視認性の両立は、台本チェックはもちろん、ビジネス文書や学習ノートなど、幅広いシーンでの利用展開が期待されます。
国内の文具・事務用品市場は約4,000億円規模とされ、成熟市場ながら安定した需要が続きます。既存製品の弱点を補完する新技術は、買い替え需要を喚起します。現在は0.8ミリメートルの単色展開ですが、今後、多色化や手帳に適した極細芯などへ商品ラインアップが拡充されれば、市場の勢力図に変化が生じる可能性もあります。先行する絶対王者に対し、この新発想のケセラがどこまで食い込めるのか。各社のシェア動向と次なる展開に注目しています。
タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

