「価値で選ばれる商品」で収益力向上
冷房の効いた室内で一日を過ごすと、夕方には肌の乾燥が気になる、夏の肌悩みは紫外線だけではありません。そんな中、「無印良品」を展開する良品計画(7453・P)が、8月10日からスキンケア発想の「着るスキンケア」インナーを発売します。うるおい成分のアミノ酸を配合したレーヨン繊維で肌の水分を逃がしにくくする、いわばインナーの形をしたスキンケア商品です。衣料品でありながらスキンケア売り場でも陳列し、今後はパジャマや靴下などへの展開、2027年春には海外市場への投入も予定しています。
もっとも、「着る化粧品」という発想自体は新しいものではなく、15年に帝人フロンティア、17年にはイオンが同様の市場に参入しています。注目すべきは、アイデアの新規性ではなく、良品計画の事業化力です。第一に、同社の衣料品として初めて薬機法上の化粧品登録を行い、「保湿」の効能表示を可能にした商品開発力。第二に、幅広い世代から支持される無印良品ブランド。第三に、三菱商事ファッションの衣料品事業承継などを通じた、調達・生産体制の内製化による、商品開発のスピード向上と収益力の強化です。本商品は、好調なスキンケア領域と衣料品を掛け合わせた、新たな成長施策といえます。
この「値引きに頼らず価値で選ばれる商品」を増やす戦略は、全社の収益力にも直結します。原価低減、値下げ抑制、海外事業の成長により、営業利益率は着実に改善してきました。26年8月期は今期2度目の上方修正を実施し、純利益670億円と3年連続の過去最高益を見込みます。営業利益980億円は、3カ年計画の最終年度(28年8月期)に掲げる目標水準を、早くも射程に入れるものです。
「着るスキンケア」は一つの商品にとどまらず、生活提案型ブランドとして高付加価値領域へ進化する無印良品の象徴です。その積み重ねを継続的な利益成長と企業価値向上へ結び付けられるのか。良品計画に注目しています。
タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。
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