ベーシック・レポートとは、企業価値の視点で示唆に富む、アナリストが作成したレポートのこと。ベーシック・レポートの作成を後押しするとともに、企業・投資家・証券会社のこれらレポートに対する評価を促すため、優れたレポートを表彰する「ベーシック・レポート・アワード」が、今年は12月7日の夕刻にオンラインで開催される。
「分析」の価値、今こそ見直す
多様化が急速に進展する現代において、長期的な視点で事業や組織に対する独自の切り口を持ち、セクターや国境を越えた比較が行われるベーシック・レポートこそが、これからのアナリストに求められるものだ。
しかしながら昨今の売買高を重視する既存の手数料体系、四半期決算のフォローに追われるアナリストの働き方を鑑みると、彼らがベーシック・レポートに注力することは難しいのも事実。さらには市場の短期志向化、手数料の透明化、人工知能を使った分析の普及などにより、アナリストそのものの存在意義が問われている。
優れたレポートを皆で称える
そこで立ち上がったのが「ベーシック・レポート・アワード」。アナリストのベーシック・レポート作成を後押しするとともに、企業・投資家・証券会社のこれらレポートに対する評価を促すため、優れたベーシック・レポートを表彰するアワードを設立。農林中金バリューインベストメンツ常務取締役(CIO)奥野一成氏、バリュークリエイト佐藤明氏、みさき投資インベストメント・オフィサー槙野尚氏、そして、東京理科大大学院教授の若林秀樹氏ら4人の運営・審査員が選出したレポートを称えるカンファレンスを開催することとした。
ナレッジ(知)共有で豊かな社会を! バリュークリエイト 佐藤 明 氏
2018年に、ファンドマネージャーやアナリストとして活躍された・されている方々と「ベーシック・レポート・アワード」という企画を立ち上げました。今年で3回目の開催となります。
鶏と卵の発想ですが、ベーシックなリサーチが増えれば、長期投資も充実してくるのではないかという仮説から、ベーシック・レポートを勝手に表彰してしまおうという試みです。この賞は、芥川賞でも直木賞でもベストセラーでもなく「本屋大賞」のような存在で、素晴らしいベーシック・レポートを書いてくれた人を称えたい&ありがとうを伝えたいという思いと、素晴らしいレポートをみんなで共有して、豊かな社会と明るい未来に近づきたいという気持ちから、たくさんの方にサポートいただき、スタートしました。
12月7日の受賞式に向けて、セルサイド・アナリストのレポートだけではなくストラテジストや事業会社向けレポート、アカデミックな論文にまで対象を広げ、素晴らしいレポートを現在、募集しています。リサーチの力で、豊かな社会と明るい未来を実現しましょう!
~この指、止まれ!~
「ベーシック・レポート・アワード」の注目点
注目① 業界や企業の分析方法や切り口が学べる
ファンドマネージャーやアナリストとして活躍された・しているパネリストが受賞レポートの評価ポイントを解説。業界や企業のファンダメンタル分析の手法、分析の切り口などが学べます。
注目② ナレッジ(知)の「共有」
受賞レポートは3カ月間の一般公開を予定。発行元の証券会社の理解が得られた場合に限るものの、素晴らしいレポートを皆で共有して日本の価値創造に生かす。
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12月7日「ベーシック・レポート・アワード」には皆さんも参加が可能です。詳細と申込方法はウェブサイトでご確認ください。
URL:http://forms.gle/jEVqbLWLBjNuZmUr8