「自社株買いの季節」再び。4月は月別で自社株買い実施金額最少の月として知られるが、あくまでも3月期企業の「決算発表控え」である点が背景だ。24日のニデック、富士通、NRI、野村不HDあたりから決算発表が本格化してくるため、発表企業が増えるほどに自社株買いも“解禁”が進むことになりそう。
実は16日付本紙でも過去の実績をベースに自社株買い発表候補をピックアップしたが、ここで取り上げたのは来週末5月2日まででは5銘柄のみ。これに対し、大和証券が22日付レポートで挙げたのは4月23日~5月2日で25銘柄に及ぶ(表参照)。昨年を含めて「直近3年間の4~5月」で2回以上自社株買いを発表したTOPIX採用銘柄だ。なかでも3年連続発表となったのがシマノ、富士通、アマノ、太平洋工、日立、東ガス、積水化、日鉄ソリュ、中外炉、北国FHD、DTSの11銘柄だ。
なお、こうした銘柄群の選別の切り口として大和レポートでは、年間リターンやPBR、ボラティリティなどを総合的に評価する「EU―インデックス」に着目していた。過去のデータでは、この指標が高い銘柄は「自社株買いの規模が大きく、短期・長期ともにより高いパフォーマンスを示す傾向があった」とのこと。表の銘柄で最高の5となったのは、なぜか東京製鉄と東京鉄鋼の電炉2社。これに続く4が東ガスだった。もちろん、自社株買いが発表されても肝心の決算が不振では話にならないが、東京製鉄(5423・P)はジェフリーズ証券が13日付で、2,000円(時価から26.7%の上ザヤ)目標で買い推奨している。前回1月の四半期決算発表時は発表前日終値から4日後の高値まで7.3%高となった経緯も。(K)
自社株買い発表期待銘柄 | ||
決算発表日 | 銘 柄 | コード |
【4月】 | ||
23日 | シマノ | 7309 |
24日 | 富士通 | 6702 |
ニデック | 6594 | |
NRI | 4307 | |
アマノ | 6436 | |
25日 | 信越化 | 4063 |
ミスミG | 9962 | |
東京製鉄 | 5423 | |
太平洋工 | 7250 | |
28日 | 日 立 | 6501 |
東ガス | 9531 | |
積水化 | 4204 | |
NSSOL | 2327 | |
中外炉 | 1964 | |
30日 | 東エレク | 8035 |
村田製 | 6981 | |
三菱倉 | 9301 | |
北國FHD | 7381 | |
【5月】 | ||
1日 | 三井物 | 8031 |
HOYA | 7741 | |
住友商 | 8053 | |
エプソン | 6724 | |
DTS | 9682 | |
2日 | 丸 紅 | 8002 |
JR西日本 | 9021 | |
(出所:大和証券) |