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銘柄・相場情報2023年10月12日

霞ヶ関キャピタル 「ようやくスタートライン」 プライム変更で成長軌道「鋭角」に 時価総額3,000億円超を視野に入れる

6日に行われた市場変更セレモニーにて。左が河本幸士郎代表取締役社長、右が小川潤之取締役会長。

6日に東証プライムへの市場変更を果たした霞ヶ関キャピタル(3498・P)。その2日前には2023年8月期本決算の説明会を開催。河本幸士郎代表取締役社長が「やっとスタートラインに立てた、ワクワクしている」と前置きして好調な業績の背景と今後のビジョンを語り始めると、会場に集まったアナリストなど100名ほどの市場関係者はこれに聞き入った。

物流施設、ホテル、ヘルスケア領域の開発・運営を手掛ける不動産デベロッパーの霞ヶ関キャピタルの23年8月期業績は、売上高が前の期比79%増の372億8,200万円、営業利益は同2.1倍の44億4,200万円で着地。24年8月期は61%増収、91%増益といずれも過去最高を計画しており、年間配当予想は前期実績比倍増の120円を見込んだ。 さらに、コロナ真っただ中の21年10月に策定した中期経営計画について、最終年度となる26年8月期の目標として掲げていた営業利益200億円の達成を「1年前倒し」することも明らかにした。

中計については、昨年4月に日本証券新聞が公開した動画、河本社長と著名投資家・井村俊哉氏との対談でも触れていた通り、市場参加者の多くも懐疑的にみていた。しかしながら同社の真骨頂はまさに「有言実行」。コロナ禍においてもホテルや物流施設の用地の仕込みと開発を粛々と続けてアセットを拡大、業績予想の上振れを繰り返すことで投資家との信頼関係を醸成していった。ホテルについては開発・売却のみならず10件をまとめてファンド化し、その運用益を得るという「第三の収益モデル」にまで到達。結果として株価は12日に一時1万630円と上場来高値を更新し、動画公開当時の3,000円割れの水準から3倍強にまで躍進した。

ところが河本社長は「我々はベンチャー、やりたいことがまだまだある」と語る。市場変更セレモニーという晴れ舞台で聞くと「不動産関連業界における当社のポジションは、現在“ようやく3軍入り”だが、2軍入りは既に視野に入ってきた。勝ち筋も見えている。将来的には当然1軍も狙っていくが、その際には別のプロセスが必要なことも分かっている」。視界の先に見据える不動産関連業界の1軍とは時価総額1兆円超の4社であり、2軍は時価総額3,000億円から1兆円までの5~6社を指す。

「変化を起こす側へ、回れ。」。公表資料に添えられている彼らの所信表明だ。最後に「次の中計に期待してほしい」と締めくくった河本社長率いる霞ヶ関キャピタルに、引き続き注目したい。