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トップ記事2024年5月7日

2大イベント通過 FOMC+雇用統計 米国は再び“利下げ期待モード”に

東京市場にも安心感 主力銘柄に照準

コマツ(6301・週足)

ゴールデンウイーク(GW)明け、7日の東京市場では日経平均株価が2日の終値比で一時627.07円高の3万8,863.14円まで買われるなど、買い戻し先行で大幅高。終値は599.03円高の3万8,835.10円だった。

米国では5月1日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が終了、3日に4月の雇用統計が発表された。2大イベントの通過とその内容を受け、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始先送り観測が後退、安心感が広がり日米の株高につながった。米国市場では2~6日までの3営業日で、NYダウが949ドル高(2.5%高)、ナスダック総合指数が744ポイント高(4.8%高)となっていた。現地3日に発表された4月の雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比17.5万人増と予想の24万人増を下回ったほか、失業率は3.9%と3月の3.8%から上昇、平均時給の伸び率は前月比0.2%と予想の同0.3%を下回った。労働需給のひっ迫感が後退し、インフレ抑制が進むとの見方から、FRBが9月にも利下げを開始するとの見方を支えた。

1日のFOMCでは6会合連続の政策金利据え置きが決まり、その後のパウエル議長の会見は市場が事前に警戒していたほどタカ派的な内容とはならなかったことから、安心感が広がっていた。6日もリッチモンド連銀のバーキン総裁がインフレの抑制に楽観的な見方を示したほか、NY連銀のウィリアムズ総裁が雇用拡大ペースの鈍化などを踏まえ、「最終的には利下げするだろう」と発言、FRB高官から、ハト派的な発言が続いている。米10年債の利回りは直近高値の4.68%(4月30日)から4.4%台にまで低下した。

こうした状況を受け、7日はレーザーテック(6920・P)東京エレクトロン(8035・P)ディスコ(6146・P)など半導体製造装置(SPE)の主力銘柄が大幅高、TOWA(6315・P)日本マイクロニクス(6871・P)など半導体関連の値がさ株が急伸した。為替市場ではドル円の不安定な動きが続いていることもあり、国内株は必ずしも手掛けやすい地合いと言えない。しかし、大手商社や総合電機、機械など先行して決算を発表した企業は堅調な業績が確認され、増配や自社株買いなど、株主還元策の充実も市場の期待に沿って進んでいる。米国の金融政策に対する見方が落ち着いてきたことを受け、主力株を中心に巻き返しが本格化することが期待できる。これまで同様、高配当利回りの大型株や、日立製作所(6501・P)コマツ(6301・P)トヨタ(7203・P)といった業界を代表する銘柄には妙味がありそうだ。今後の決算内容を踏まえつつ、内需、外需を問わず、好実態の主力株に狙いを定めていきたい。(M)