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トップ記事2025年9月25日

10月1日から中国国慶節8連休 インバウンド需要、さらに加速か

ドラッグストア、百貨店、交通…幅広く恩恵

マツキヨココカラ(3088・週足)

10月1日から中国の国慶節(建国記念日)の大型連休が始まる。今年は中秋節も含まれるため、例年より長めの8連休になる。連休の過ごし方では日本旅行が人気となっており、インバウンド需要はさらに加速しそうだ。

中国などからのインバウンド支援を行うインタセクト・コミュニケーションズが中国在住の6,165人を対象にしたアンケートによると、連休中に行きたい海外旅行先は日本が22.6%と、韓国や東南アジアを抑えてトップに。昨年の国慶節や今年の春節(1月28日~2月4日)に続いて、日本ブームとなっている。オーバーツーリズム批判もものともしていない。

訪問先は東京と北海道がともに56%でトップ。東京ではショッピングを挙げた人が多かったほか、日本アニメの人気もあってか秋葉原などの回答も多かった。訪日の理由でもアニメや映画のロケ地訪問が上位に入っている。北海道は景色の良さや食への期待が高い。3位には大阪が入り、国慶節連休中は大阪・関西万博(10月13日閉幕)を訪れることができることも人気の理由となっている。

日本旅行の予算については1万~2万元(約21万円~42万円)が最多。同社は「旅行予算はやや減少傾向で、(購入したい商品は)高級品よりも化粧品、医薬品、食品といった実用商品の重視が背景とみられる」と分析している。ショッピングやアニメなどが上位に入った影響には旅行者がSNS(交流サイト)で発信した口コミが次の旅行者の行動に直結するサイクルとなっているとみており、日本側ではSNS対策が重要としている。

一方、日本政府観光局がこのほど発表した8月の訪日外国人は342万人(前年同月比16.9%増)で、8月として初めて300万人を突破した。このうち中国本土からは101万人と全体の3割を占め、前年同月からも36.5%増と急増。国慶節でも勢いは続きそう。香港は台風の影響もあって、同8.3%減となったが、「日本で7月に大災害が起こる」とのデマで激減した風評被害からは回復傾向にあり、巻き返しが期待される。

インバウンド銘柄では実用商品の人気ということで、マツキヨココカラ&カンパニー(3088・P)などのドラッグストアや、パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532・P)をはじめとするディスカウントストアに注目。8月に7カ月ぶりに前年同月比増収となった高島屋(8233・P)など百貨店も需要を取り込みたい。

このほか、航空各社や万博需要も上乗せされるJR西日本(9021・P)などの交通機関、日本のサブカルチャーを楽しめるサンリオ(8136・P)などのエンタメ関連、外食、ホテルなど幅広い企業の業績を上乗せしそうだ。(HS)

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