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銘柄・相場情報2026年2月19日

【速報版】企業研究 エイチームホールディングス(3662・東証プライム) ゲーム“だけじゃない 技術者集団”

M&A強化でチームは“さらに強く”

スマートフォン向けゲームで知られるエイチームホールディングスに注目したい。近年はデジタルマーケティング領域への業容拡充が進んでいる。M&Aにも積極的だ。同社の現状と今後を、ここで整理してみよう。

【事業概要】
▶事業① エンターテインメント事業
先端「技術力」で世界展開
スマートフォン向けゲームを開発している。強みは「海外」。2012年にリリースした「ダークサマナー」は北米のGoogle Playセールスランキング1位となる大ヒット。現在もゲームの売り上げは3割以上を海外が占める。

創業者で代表取締役社長の林高生氏はプログラマーであり、「技術」に強いこだわりを持つ。例えば06年の国内初の携帯電話向けMMORPG「エターナルゾーン」は一度に数万人のプレーヤーがプレイできる日本で初めての仕組みを実現した。

▶事業② メディア・ソリューション事業
「見込み客」マッチング
日常生活に密着した比較・情報サイトを企画・開発・運営する。現在は引っ越し比較・予約サイト、中古車査定・買い取りサイト、結婚式場情報サイトなどを手掛ける。

ユーザーとクライアントとを結び付けることで報酬を得る。最近テレビなどで広告を大々的に展開している「引越し侍」の場合。引っ越し希望日時などユーザーが入力した情報をもとに、登録業者約390社から最大10社に絞り込んで通知する。以降は業者からユーザーにコンタクトをとる。見込み顧客の紹介手数料が売り上げとなる。

この収益を、同社はマーケティングや広告に投下することで圧倒的なブランド力を構築してきた。結果、類似サービスは多数あるものの、ユーザー数や登録業者数など高水準を維持している。「引越し侍」は見積もり希望者の4人に1人が利用している。

▶事業③ D2C事業
ストック堅実に積み上げ
同社が企画した商品を外部に製造委託し、販売は同社が消費者向けに直接インターネット上で行う。化粧品・スキンケアブランド「lujo(ルジョー)」、小型犬用の高級フード「OBREMO(オブレモ)」などを展開している。

特徴は①いずれも「定期購入」型で安定収益が見込まれること、②既に“勝ち筋”をつかんでいることだ。商品は、メディア・ソリューション事業で培った集客ノウハウが注入できる、デジタルマーケティングと相性が良い領域を選定した。20年に販売開始した「lujo」については大手ドラッグストアチェーンなど複数社でも取り扱われている。

【成長戦略】
▶ゲーム開発は「協業」へ
ヒット作の有無により業績のブレが激しいゲーム開発、これを単独ではなく協業へとシフトすることでリスク軽減を図る。有名なキャラクターを持つ会社から開発費や、リリース後は売り上げの一部を得る。現在複数タイトルを準備中で、うち1つは昨年11月に公表した通りサンリオ(8136・P)との協業開発を進めている。

▶M&A加速、100億円投下
24~25年に5社を買収した。中期経営期間中で100億円ほど積極的に投資していく。

メディア・ソリューション事業ではマーケティングや技術力などのノウハウを他社に提供する「売上向上支援カンパニー」としての動きを強化しており、カギとなるのがM&Aだ。

17年に買収した技術情報サイト「Qiita(キータ)」は登録者150万人で国内のプログラマーやエンジニアはほぼ100%利用している。24年に買収したホームページ作成ツール「microCMS」も技術者によく使われており、「microCMS」を「Qiita」上でアナウンスするなど高いシナジーが期待される。

最近は上場のハードルが上がっているため、起業家が事業を同社に持ち込むケースが増えており、自身がプログラマーである林氏とは精神面から意思疎通をはかることが少なくないようだ。

▶中期経営計画
28年度を最終とする中期経営計画では売上高を340億円、24年度からの年平均成長率10%、調整後EBITDAで40億円を計画している。

【株主還元】
中期経営計画では「株主還元総額40億~50億円、総還元性向平均100%以上」を掲げて「累進配当」を導入している。業績拡大に伴い、配当額は今後も増やしていく方針だ。今26年7月期は中間、期末とも14円、年間28円と、前期実績22円から増額している。自社株買いなど還元策のさらなる拡充も期待される。

※本稿は1月30日に名古屋で開催された個人投資家向け会社説明会におけるエイチームホールディングス代表取締役社長の林高生氏の講演内容からポイントを抜粋したものです。
動画もご覧いただけます。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。