AI関連の戻りに弾み
AI関連の株の戻りに弾みがついてきた。7月31日のキオクシアHD(285A・P)に続き、8月4日にイビデン(4062・P)が好決算を発表。増額修正が好感されイビデンは4,000円ストップ高の2万330円まで買われた。
AIデータセンター(DC)、エヌビディア(NVDA)といったキーワードでくくると中核となる関連銘柄の決算通過で安心感が広がってきた。これまで戻りが鈍かった先端パッケージ関連、電線・光ファイバー関連なども上昇、日経平均株価は前日比2,300円を超える上昇で6万6,000円台を回復して引けた。
米イラン情勢に好転の期待が高まったこともあり、米国市場でも好決算を素直に受け止める流れが続く。AIDC向けの発電機が好調で4~6月期の営業利益が前年同期比50%増となったキャタピラーなどが上昇、NYダウが連日の最高値、S&P500が2カ月ぶりに最高値を更新している。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1万2,000ポイント台を回復してきた。
イビデンの2027年3月期は売上高が前期比32.1%増の5,500億円(従来予想は5,000億円)、営業利益は同104.7%増の1,270億円(同900億円)に増額された。
GPU(画像処理半導体)やHBM(高帯域メモリー)など最先端半導体に使われるパッケージ基板の需要が想定を大きく上回って推移、ここに円安も加わり第1四半期(4~6月)は売上高、利益とも大幅な増収増益に。前期に量産を開始した大野事業場の生産が安定推移、既存設備の有効活用が進み、生産能力も着実に伸びている。会社側では第2四半期以降は先端パッケージに加え、スイッチIC向け製品の需要拡大も見込まれ、高付加価値製品を中心に、高水準の稼働率を維持できる見通しとする。上方修正とともに、9月30日を基準日に1→2株の株式分割も発表した。
増額を受け、ゴールドマン・サックス証券が「買い」継続で目標株価を2万6,700円(従来は2万5,500円)としたほか、モルガン・スタンレーMUFG証券が「Underweight」から「Overweight」、2万7,500円(同1万3,000円)に引き上げている。モルガン・スタンレーではエヌビディアのみならずインテルへの技術難易度の高い製品の売上高増加と販売単価上昇が続く確度がより高まったとし、今期の営業利益を1,338億円、28年3月期1,971億円、31年3月期を3,925億円と予想する。
先端パッケージ関連に買いが波及し、封止材の住友ベークライト(4203・P)、密着向上剤のメック(4971・P)、ガラス基板の日東紡(3110・P)、銅箔の三井金属(5706・P)、JX金属(5016・P)、さまざまな材料を手掛けるレゾナックHD(4004・P)、第一工業製薬(4461・P)などが軒並み高。
ちなみにイビデンは7月1日の上場来高値2万7,480円から30日の直近安値1万2,980円まで52.7%の下落を経ての出直り途上。8月5日は2万円台を回復したとはいえ、高値まで大きな距離を残す。キオクシアを含めたこれらの銘柄がどこまで株価を戻せるのか。他の関連株の株価動向にも大きく影響するため、当面は目が離せない状況が続きそうだ。(M)

