5月13日(火)のマーケット
5月12日に米国と中国の両政府は追加関税を相互に115%引き下げると発表し、米国の対中追加関税は145%から30%に、中国の対米報復関税は125%から10%になる。トランプ大統領は9日に「中国への関税は80%が正しいように思える」と投稿していたが、それよりも関税を低下させたことがサプライズとなり、経済悪化リスクの後退期待で米国株は急反発となった。ドルも買われ、1ドル=148円台の円安に。アマゾンやメタ、エヌビディア、アップルが買われ、スポーツ用品のナイキや化粧品のエスティ・ローダーなど中国関連が買われた。トランプ大統領が薬価引き下げを打ち出したが、ファイザーやメルクも反発した。ただ、映画関税で悪影響が警戒されているネットフリックスは安い。NYダウは前日比1,160ドル(2.81%)高の42,410ドル。NASDAQ総合指数は前日比779ポイント(4.35%)高の18,708。S&P500指数は前日比184ポイント(3.26%)高の5,844。
米中双方が関税を115%下げたため、米国株が急反発し、日経平均は一時849円高。ただ、日本の対米交渉はハードルが高いという見方で上げ幅を縮めた。海運株が買われ、米国景気悪化リスクの後退でリクルートが高い。古河電工は決算が計画超過で買われた。楽天銀は今期予想が好感されストップ高。トランプ大統領が薬価引き下げの大統領令に署名したが、実効性に対して疑問視する見方もあり医薬品は反発。大林組と大成建設は今期減益予想で下落。
スタンダード市場では、サクサはテリロジーと資本業務提携で大幅高。ニッピは大幅増配の発表で大幅3日続伸。貨物用エレベーターの守谷輸送機は好決算と増配で買われた。ウィルソンWLWと夢みつけ隊が高い。セリアが売られ、内海造船は大幅減益継続予想で大幅安。ミナトHDは決算発表で下落。
グロース市場では、サンバイオが反発し、Uniposが続伸。アスタリスクはバッテリーレスのスマートフォン装着型スリムタイプのRFIDリーダーでストップ高。ジェリービーンズは反落。投資事業のユナイテッドは今期営業赤字予想で大幅安。坪田ラボは今期減益予想で売られた。
日足チャート上では、長い上ヒゲを伴う実体線の極端に短い陽線。大きくギャップアップで200日移動平均線(3万7900円)を一気に飛び越え、一目均衡表の雲抜けも達成。上値は3万8500円で抑えられたが、終始3万8000円台での推移となった。直近での急騰で25日移動平均線からの上方かい離率は9.04%と過熱圏に位置。騰落レシオも132.78%と買われ過ぎ水準。サイコロも11勝1敗となっており、目先は一旦の調整も想定される。
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注目記事 Pick up
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【日経平均 3万8,000円台回復】
日本証券新聞5月14日(水)紙面1面TOP記事掲載
米中の関税引き下げ合意を好感 ハイテク、中国関連など巻き返し
13日の東京株式市場は大幅続伸。日経平均株価は一時前日比849.80円高の3万8,494.06円まで上昇、終値は539.00円高の3万8,183.26円だった。
12日に米国と中国が双方に課していた追加関税を115%引き下げることで合意、市場に安心感が広がった。米国が中国に課した145%の追加関税は30%に、中国が米国に課した125%の追加関税は10%になる。両国は引き下げた関税のうち24%分は90日間停止、2国間で協議を継続する。残りの91%は撤廃される。トランプ大統領は9日のSNS(交流サイト)で「対中関税は80%が正しいようだ」など投稿していたこともあり、115%の引き下げはポジティブサプライズだった。
米国市場でも買い戻しが進みNYダウが1,160ドル(2.8%)高、ナスダック総合指数が779ポイント(4.34%)高に買われるなど主要指数が急伸。
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今日の市況概況
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5月13日(火)☆[概況/大引け]
日経平均は上昇だが、プライム市場では下落銘柄数の方の多い
大引けの日経平均は539円高の3万8,183円、TOPIXは30ポイント高の2,772ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は734、下落銘柄数は850。出来高は24億9,172万株、売買代金は6兆169億円。
米国と中国が双方で関税を115%引き下げため12日の米国株は急反発となった。
13日の日経平均は一時849円高となったが、日本が相互関税率をグローバル関税の10%以下に引き下げることや自動車分野の関税を撤廃することに向けた交渉のハードルは高いままという見方で上げ幅を縮めた。
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