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IPO2025年5月23日

新規上場紹介 ウェルネス・コミュニケーションズ 6月23日 グロース 大企業向けに健康診断を一括支援

ウェルネス・コミュニケーションズ(366A)が6月23日にグロースに新規上場する。

大手企業や健康保険組合向けに健康診断の実施からデータ管理まで一括でサポートする。2003年、伊藤忠商事(8001・P)の社内ベンチャーとしてヘルスサポートシステム事業(現健康管理クラウド事業)をスタート。19年にSOMPOHD(8630・P)が51%を出資し、現在も42.47%の筆頭株主となっている。22年6月にも上場を予定していたが、市場動向などを総合的に勘案して申請を取り下げた。

健診ソリューション事業は全国2,164件の医療機関と連携し、健康診断管理プラットフォーム「i-Wellness」を通じて、企業、健康保険組合などの健康診断実施上の課題を解決するもの。企業や健康保険組合から、健康診断の各種手続きを一括して受託する。医療機関との契約締結、診断の予約、医療機関への精算代行、診断結果のデータ化などが含まれる。取り引き法人数は1,710社、件数は38.8万件に上る。健康診断を起点とした強固なプラットフォームを展開し、診断結果データは多様なフォーマットのものを一元化できる。

健康管理クラウド事業はSaaS型のクラウドサービス「Growbase」を提供。健康診断結果、就労データ、ストレスチェックデータ、面談記録などを個人単位でひも付け、心と身体に関するデータを一元管理・可視化できる。プロダクトリリースから20年を経過しているが、ユーザーの要望を基に機能の拡充、ユーザビリティの向上を図り、導入企業数を順調に増やしてきた実績が参入障壁となっている。利用者のID数は174.4万ID(前期比17.1%増)と右肩上がり。売上高は健診ソリューション事業の10分の1だが、営業利益は1.4倍と高収益で、足元の成長を牽引している。

今後、「Growbase」の機能拡張による周辺領域への展開で収益力向上を図る。具体的にはメンタルヘルス、eラーニングなどの機能を拡充、産業医保健師の紹介やカウンセリングなどのソリューション拡充、人的資本経営支援に関する新事業などが挙げられる。

26年3月期の業績は売上高147億9,000万円(前期比5.2%増)、営業利益12億3,900万円(同11.7%増)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=健康管理SaaSなどを用いたヘルスデータプラットフォームおよびソリューション事業
●本社=東京都港区赤坂1-12-32
●代表者=松田泰秀代表取締役社長
●設立=2006年7月
●上場前資本金=4億861万5,000円
●発行済み株式数=599万8,200株(上場時)
●筆頭株主=SOMPOホールディングス(上場前42.47%)
●公募株式数=55万株
●売出株式数=94万9,600株(ほかにオーバーアロットメントで22万4,900株)
●仮条件=6月3日に決定
●ブックビル期間=6月5日から11日まで
●引受証券=野村(主幹事)、SBI、みずほ、岩井コスモ、松井、東海東京

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2024.3 13,266 955 124.88 37.47
2025.3 14,057 1,102 142.47 42.75
2026.3(予) 14,790 1,213 145.56 42.77
※単位100万円、1株利益・配当は円

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