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IPO2025年6月6日

新規上場紹介 リップス 6月30日 グロース 男性向けヘアケア商品など企画・販売

リップス(373A)が6月30日、東証グロースに新規上場する。

創業社長の的場隆光氏が営んでいたメンズヘアサロン「LIPPS(現LIPPS hair)」の運営支援と、業務用美容商材の企画・販売を目的に2008年に設立。現在はヘアワックスなどスタイリング剤とシャンプーなどのヘアケア商品を主力とする商品事業を主軸に、「LIPPS hair」の本部事業を行うフランチャイジー事業を運営している。なお、LIPPS hairの運営法人は、22年のMBO(マネジメント・バイアウト)により従業員に株式譲渡され同社から分離、現在はフランチャイジーの1つとなっている。

商品事業が売り上げの9割を占める。商品開発は開発担当者のマーケティングに基づく発案のほか、フランチャイズビジネスで展開するメンズヘアサロンで発生した課題やニーズを起点に、年間約40万回の施術を行うスタイリストの「ヘアセット」「洗い流し」「手荒れ」などの意見や評価を取り入れて行っていることが特徴。

同事業は商品を企画し、販売するファブレスメーカーとして事業展開。製造委託業者と共同で繰り返し試作した上で商品化している。販売先は卸売業者を通じたドラッグストアなど小売店のほか、同社のサロンフランチャイズ店をはじめとした美容室、EC(電子商取引)通販サイトを活用した一般消費者など。ドラッグストアなどを中心に順調に配荷が進んでいるほか、アマゾンや楽天といったEC通販サイトでの販売も順調に拡大している。

サロンフランチャイズ事業は、的場隆光氏が1999年に東京原宿にヘアサロン「LIPPS」を開店したことから始まった。LIPPSは競争が激しい原宿エリアで差別化を図るため、他店に先駆けて美容感度の高い男性をメインターゲットに展開したことでメンズヘアサロン文化を創造してきた。

現在は直営店を持たず、経営指導、店舗運営支援、美容師への技術指導を行うフランチャイザーとしてフランチャイズ本部事業を営む。同社はヘアサロン「LIPPS hair」に所属するスタイリストとフランチャイズ契約を締結して店舗展開を行い、いわゆるのれん分けによって事業を拡大。4月末現在で関東を中心に28店、スタイリスト161人を擁する。また、独自の屋号で独立開業しようとする所属スタイリストに対し、サポート内容に応じたパートナー契約(4月末現在で契約数34件)を締結し、支援サービスを行っている。

業績はヘアケア商品を中心とする商品事業が成長をけん引。サロンフランチャイズ事業はブランドやクオリティを重視し、出店などによる成長は企図していない。商品事業ではスタイリストヘアマスク、ハンドスタイリングクリームといった新商品を投入するなど商品ラインアップを拡充。また、スキンケア、メイクアップブランド「LIPPS BOY」の初の旗艦店を東京渋谷にオープンさせた。(Q)

概要

●事業内容=メンズコスメの企画・販売を行う商品事業およびヘアサロンのフランチャイズ運営を行うサロンフランチャイズ事業
●本社=東京都渋谷区神宮前3-1-30
●代表者=的場隆光代表取締役社長
●設立=2008年4月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=255万株(上場時)
●筆頭株主=Akeru(上場前37.37%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=106万500株(ほかオーバーアロットメントで16万6,500株)
●仮条件=6月12日に決定
●ブックビル期間=6月13日~18日
●引受証券=野村(主幹事)、岡三、SBI、楽天

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2023.8 3,108 770 215.64
2024.8 3,760 719 169.48
2025.8(予想) 4,408 906 250.78
※単位100万円、1株利益は円

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