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コラム2025年7月4日

【本日のマーケット】7月4日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

7月4日(金)のマーケット                                                                   

7月3日のNYダウは反発、ナスダックは続伸。6月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比14万7千人増と市場予想の11万人増を上回った。オラクルやサークル・インターネット・グループ、JPモルガン・チェース、ビザなどが買われた。クラウド監視企業のデータドッグはS&P500指数に7月9日に採用されることで大幅高。ヒューレット・パッカードに買収されたジュニパーネットワークスと入れ替わる予定。オンライン証券取引プラットフォームのロビンフッド・マーケッツは、S&P500に採用されず下落した。NYダウは前日比344ドル(0.77%)高の44,828ドル。NASDAQ総合指数は前日比207ポイント(1.02%)高の20,601。S&P500指数は前日比51ポイント(0.83%)高の6,279。

トランプ大統領が関税率を通知する書簡を送付すると述べたため様子見姿勢。良品計画は反発。霞ヶ関キャピタルは好決算と株式分割で急騰。キユーピーは海外での伸びと自社株買いが好感された。クスリのアオキは今期営業減益計画だが、保守的な印象と受け止められたことや自社株買いが注目された。SCREENはモルガン・スタンレーが目標株価を引き上げた。電力株と銀行株が高い。防衛関連は3日続落となり、フジクラは反落。海運株が売られた。

スタンダード市場で、放電精密は上期の業績予想の上方修正で買われた。アジュバンHDは子会社が北大との共同研究で、老化に関与するミトコンドリアDNAの損傷修復を促進する原料を発見しストップ高。レントは続落、エスサイエンスとAbalanceは反落、伊勢化学は3日続落。

グロース市場では、衛星関連のSynsが野村証券のレーティング引き上げを受け大幅高。ビーマップは「宇宙・防衛事業準備室」開設でストップ高。データセクションはエヌビディア製GPUサーバー取得契約でストップ高。トヨコーは『ガッチリマンデー』に出演で上昇。Zenmuは3日続落。

日足チャート上では、下ヒゲを伴う陰線。寄付き後が高値となり、4万円を前に上値の重さを感じさせる形となった。5日移動平均線(3万9966円)を下回って週末を迎えたが、ボリンジャーバンドのプラス1シグマ(3万9567円)がサポートとなっている。週足では上下にヒゲを伴う陰線。先週の大陽線に食い込む陰線で「かぶせ線」となった。酒田五法では、「相場が相当に上伸したところに出現すれば“ドテン売り越し”を敢行する急所」とされる。来週は関税問題で転機を迎えるタイミングだけに注意が必要となりそう。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。7月相場がスタートしました。あいかわらず相場を動かす材料には事欠きません。今週も目まぐるしく毎日が過ぎてゆきました。

世界を動かしているのは間違いなくトランプ大統領です。日本との貿易交渉がはかどらず、ついに「日本との合意はむずかしい」と言い出すところまで来てしまいました。

日銀短観も米雇用統計もどこかに吹き飛んでしまいました。

通商交渉の遅れは決して喜ばしいことではありませんが、周囲を見渡しても合意に至った国はごく少数です。

見方を変えれば「交渉ごとの達人」、「タフネゴシエーター」と言われるトランプ氏をここまでいらだたせる日本もなかなかのものです。そのあとの影響が恐ろしいのですが。

それでも株式市場は堅調です。千葉興銀が千葉銀行の傘下に入ることになったようで、週末は地方銀行株が広範囲に動意づきました。地方電力株も堅調です。

バリュー株とグロース株が交互に物色されています。こういう相場は息が長いと見ることができるのですが、今回のラウンドでは果たしてどうでしょうか。けっこう行けるのではないかと考えているところです。

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注目記事 Pick up
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【ETF分配金捻出売りの仕組みと傾向
日本証券新聞7月7日(月)紙面1面TOP記事掲載 

どうなる?“試練の1週間”

6月下旬の株主総会シーズンに意外高を演じた日経平均。手掛かりとして配当金再投資などの需給要因が指摘されたが、ここまでは恒例の季節習性にのっとった動きでもある。そして季節性に照らせば、これから“試練の1週間”を迎えようとしているのかもしれない。

戦後東証再開来の日付別日経平均騰落を見ると、総会ピーク日を挟む6月28日~7月2日の5日間は計「188勝112敗(勝率62.6%)」。12月下旬などと並ぶ上昇確率の高い時期だが、これが7月6~10日の5日間になると一転、「134勝162敗(同45.2%)」に急降下する。近年の成績でも、来週週明けの7月7日(七夕)は2004年以降では(6回の休場を挟んで)3勝12敗(同20%)だ。

こうした状況を踏まえたうえで、ここからが本題。市場関係者の間では周知の事実でもあろうが、8日と10日の2日間に、TOPIX型5本、日経平均型6本、計11本のETFの決算日を迎え、当日に分配金捻出の換金売り発生が見込まれている。

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今日の市況概況
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7月4日(金)☆[概況/大引け] 

トランプ大統領が関税率通知書簡で様子見

大引けの日経平均は24円高の3万9,810円、TOPIXは1ポイント安の2,827ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は786、下落銘柄数は757。出来高は15億5,102万株、売買代金は3兆8,803億円。
トランプ大統領が関税率を通知する書簡を送付すると述べたため様子見姿勢となった。

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