7月11日(金)のマーケット
7月10日の米国株式市場は続伸。エヌビディアは小幅続伸。フアン最高経営責任者(CEO)が今週の中国訪問を控え、10日にホワイトハウスでトランプ米大統領と会談する。AMDはHSBCが投資判断を「Buy」に引き上げたことで買われた。2026年度AI収益の潜在的な上振れ可能性を完全に織り込んでいないと指摘した。MPマテリアルは国防総省が15%出資することで合意したと発表し、急騰した。新たな磁石工場の建設とレアアース関連能力の拡張を行う。デルタ航空は4~6月期の利益がアナリスト予想を上回り、撤回していた通期の利益予想を示したことで買われた。NYダウは前日比192ドル(0.43%)高の44,650ドル。NASDAQ総合指数は前日比19ポイント(0.09%)高の20,630。S&P500指数は前日比17ポイント(0.27%)高の6,280。
日経平均は朝方4万円に接近したが大台回復が果たせずもみ合いとなった。来週の米銀決算発表を控え、株主還元による米国株高期待で邦銀が上昇。フジメディアは旧村上ファンドの保有株比率引き上げが続き大幅高。日本製紙は野村証券が板紙の値上げ進展予想で格上げ。百貨店の松屋は3~5月期の減益は想定内という見方で買いが入った。ファーストリテイリングは3~5月期の営業利益がアナリスト予想に届かず下落した。フジクラや三菱重工が安い。
スタンダード市場では、イクヨが大幅反発。関東地方の豪雨を受けて、川崎地質が大幅高。インタートレードは暗号資産ウォレット事業のAndGoを持ち分法適用関連会社としていることで暗号資産関連の買いが入った。名村造船やジャパンエンジンが売られた。宝飾品の光・彩が安い。
グロース市場では、宇宙防衛事業準備室のビーマップが再び買われストップ高。グロースエクスパがストップ高。暗号資産関連のTORICOが連日の高騰。Aiロボティクスが大幅高を継続。シリコンスタジオは業績上方修正で買われた。データセクションやレナサイエンスは利食い売り。
日足チャート上では、下ヒゲを伴う陰線。3日連続の陰線を示現しており、再び5日移動平均線を割り込んで週末を迎えた。4万円の壁も重く感じられるが、3万9500円近辺では底堅さを見せた。週足では上ヒゲを伴う陰線。2週連続の陰線となり、2週前の大陽線の調整内の動きとなったが、13週と26週の移動平均線がゴールデンクロスとなっており、上昇トレンドは継続とみられる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木一之です。トランプ大統領からの書簡によって相互関税が全貌を現しました。4月の時よりも1ポイント引き上げられ25%となりました。
8月1日からの徴収開始を前に実業界は早くも戦々恐々としています。実質的に交渉期限が延期されたことを好感して、今週の株式市場は安定した動きとなりました。
果たしてそれで大丈夫なのでしょうか。それほど楽観視できる状況にはないように思います。折しも今は参院選ぼ真っ最中です。与野党の論戦は減税か給付金か、という点に終始しており関税問題はほとんど議論に上りません。
輸出企業にとって、新しい枠組みへの対応は非常な困難が伴います。日本の完成車メーカーはすでに 5月の時点で米国向けの輸出価格を▲20%近く引き下げ、関税によるコスト増は自社で引き受けるスタンスです。
2 月決算の安川電機(6506)は 第 1 四半期の決算発表に合わせて、早くも通期見通しを引き下げました。来月に発表される 4-6 月決算が早くも不安視されます。
日経平均は4万円の大台に再びはね返されています。来週も米国の金利上昇と日本企業の決算動向を意識しながら神経質な展開が続きそうです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NSJ Market Forcus
注目記事 Pick up
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ハイテク 先行主力組は一服か】
日本証券新聞7月14日(月)紙面1面TOP記事掲載
TSMC好決算 エヌビディアは続伸 中小型 材料関連マーク
11日の東京株式市場では日経平均株価が軟調小動きに推移する一方、TOPIXの堅調さが目立った。先駆した半導体製造(SPE)や電線・光ファイバーなどAI関連の主力株の上値が重くなったほか、防衛関連の重工3社などが軟調に推移した。その一方、メガバンクや地銀など銀行セクター、1ドル=147円に接近した円安を受けトヨタ(7203・P)、ホンダ(7267・P)などの自動車、鉄鋼などの素材が買われ、東証プライムの値上がり銘柄数は1,150を超えた。
上値は重いながらハイテク周辺には好材料が相次いでいる。10日に世界最大の半導体製造受託メーカー、TSMC(台湾積体電路製造)が発表した6月の月次売上高は前年同月比26.9%増の2,637億台湾ドル(約1兆3,000億円)と過去最高となった。4~6月累計も同38.6%増と四半期ベースでも過去最高。エヌビディア(NVDA)のAI向け最先端半導体が寄与したもようだ。そのエヌビディアも10日の米国市場で続伸、終値ベースでも時価総額が4兆ドル(約580兆円)に乗せ、ナスダック総合指数、S&P500がそろって最高値を更新した。
・・・続きは紙面・Digital版で!
今日の市況概況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
7月11日(金)☆[概況/大引け]
ファーストリテイリングの下落が影響
大引けの日経平均は76円安の3万9,569円、TOPIXは10ポイント高の2,823ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,152、下落銘柄数は421。出来高は18億6,480万株、売買代金は4兆5,653億円。
日経平均は朝方4万円に接近したが大台回復が果たせずもみ合いとなった。
詳しくはコチラ