先日訪れた大阪・関西万博では、「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」内に、排泄物から腸内環境を分析する未来型のメディカルトイレが展示されていました。こうした構想が既に実用化に向かっていることを示すように、TOTO(5332・P)は、排便データを解析する新機能「便スキャン」を搭載したウォシュレット一体型便器「ネオレストLS-W/AS-W」を、8月1日より発売すると発表しました。

同製品には、便の落下中に形状・色・量を自動で計測するセンサーが内蔵されており、記録されたデータは専用アプリ「TOTOウェルネス」に送信されます。アプリ上では排便の有無がカレンダーに記録されるほか、便の傾向がグラフとして可視化され、週・月単位でのレポート確認も可能です。さらに、計測結果に応じた生活アドバイスが表示される機能も備えており、最大6人までユーザー登録が可能。日常的なトイレ使用を通じて、意識せずに健康管理を継続できる仕組みとなっています。

同様の健康連動型スマートトイレは、医療費の増大が深刻化するなかで、病気の予防や早期発見につながる在宅ヘルスケアの基盤としての役割が期待されています。こうした潮流は世界的にも進んでおり、CES 2023などの国際展示会でも、健康連動型トイレが複数企業から発表されるなど注目が集まっています。そんな中、ニーズを見据え2027年度に年間7,300台の販売を目指すTOTOは、今や当たり前となったウォッシュレット機能のように、便スキャンも定着させることができるのか、期待される安否確認やバイタル測定、クラウドを活用した遠隔モニタリングといった機能拡張の実現とともに注目しています。