8月1日(金)のマーケット
7月31日のNYダウは4日続落。ナスダックは反落。トランプ大統領はイーライリリーやノボノルディスク、ファイザー、メルク、GSK、ジョンソン&ジョンソンといった世界的な製薬大手17社に、米メディケイド(低所得者向け医療保険)対象薬品の価格を特定他国の最低価格に引き下げるよう、書簡で要求した。これらの製薬企業は下落した。ユナイテッドヘルスも安い。他方、メタ・プラットフォームズとマイクロソフトは買われた。NYダウは前日比330ドル(0.74%)安の44,130ドル。NASDAQ総合指数は前日比7ポイント(0.03%)安の21,122。S&P500指数は前日比23ポイント(0.37%)安の6,339。
東京エレクが通期営業減益予想に下方修正し一時ストップ安。日立はデジタルシステム&サービス部門が減収で売られた。HOYAは決算がアナリスト予想に届かず下落。電機や精密の下落で日経平均は反落したが、東証プライム市場全体では上昇銘柄数の方が多く、TOPIXは小幅高。内需株が選好され、電力ガスや建設、不動産が高い。JTは増配を好感。コナミGは『桃太郎電鉄2』を11月13日発売決定で高い。DCMは1月に付けた年初来高値を更新。
スタンダード市場では、ユーラシア旅行社が通期の配当予想を大幅上方修正しストップ高。フォーサイドはGPUサーバー購入代金を拡大することで買われた。篠崎屋は決算発表で上昇。一方、メタプラネットやぷらっとホームが売られ、トレイダーズと電算は減益決算で下落した。
グロース市場で、ジェネパは子会社がリヨセル繊維で特許を取得しストップ高。コンヴァノは業績上方修正でストップ高。Zenmuは直近安値圏から続伸。健康食宅配のファンデリーは第1四半期が営業黒字となりストップ高。美容機器のMTGは第3四半期が上期に比べ伸び悩み大幅安。
日足チャート上では、下ヒゲを伴う陰線。5日移動平均線をわずかに割り込んだ。4万1000円どころで頭を抑えられているが、上昇を続ける25日移動平均線がサポートとなるか、来週以降の動きが注目される。週足では先週の大陽線の中に包まれる形の陰線。急騰後のスピード調整の1週間となった。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。参議院選やトランプ関税の決定がずいぶんと遠いことのように感じられます。あっという間に1週間が過ぎました。気がつけば8月になっています。
今週も大きなイベントがいくつもありました。米国ではFOMCが開催され利下げなしが決まりました。日銀の金融政策決定会合も開催され、こちらは利上げなしとなりました。
日米どちらも金融政策には何も変化はなかったのですが、市場での反応は大きく分かれました。150円割れまでドル高・円安が進んでいます。
会合後の記者会見で日銀の植田総裁のコメントから円安が急速に進む展開です。円安にもかかわらず金曜日の株式市場では日経平均が下落しました。東京エレクトロンが一時ストップ安まで売られると言うショッキングな出来事もありましたが、円安に株価がプラスで反応すると言う簡単な状況ではなくなっています。
こうなると内需関連株が優勢の展開が続くと見られます。グッドニュースはIMFが世界経済見通しを引き上げたことです。これがきっかけとなって日本の株式市場にはプラスの効果が期待できます。
政局の行方、関税の行方も確たることは何もわかりませんが、当面は明確な方向性を欠いたまま日経平均はしばらくの間、大台固めを模索することになるでしょう。
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注目記事 Pick up
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【東エレク 下方修正で一時S安 SPEの見通しに不安】
日本証券新聞8月4日(月)紙面1面TOP記事掲載
要因分析に基づく投資戦略を
8月1日の東京市場では東京エレクトロン(8035・P)の下方修正を受け、同社をはじめ主要な半導体製造装置(SPE)株が軒並み売り気配で始まった。
東エレクが7月31日の引け後に発表した2026年3月期第1四半期(1Q、1~3月)は売上高が5,495億8,600万円(前年同期比1.0%減)、営業利益が1,446億9,400万円(同12.7%減)と市場コンセンサス(それぞれ5,800億円、1,600億円程度)を大きく下回るものだった。
通期予想は前期比3.4%減の2兆3,500億円(従来予想は2兆6,000億円)、営業利益は同18.3%減の5,700億円(同7,270億円)、年間配当485円(同618円)へと引き下げられた。同社株はウリ気配で始まり、9時27分によようやく前日比5,000円(18.2%)ストップ安の2万2,330円で寄り付いた。その後も戻りは鈍かった。
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今日の市況概況
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7月25日(金)☆[概況/大引け]
決算発表シーズンと週末要因で反落
大引けの日経平均は370円安の4万1,456円、TOPIXは25ポイント安の2,951ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は745、下落銘柄数は819。出来高は17億6,754万株、売買代金は4兆5,512億円。
反落。信越化学が通期の営業減益予想で大幅安となり、キヤノンも通期の営業利益予想の下方修正で下落したため、今後の決算発表が警戒された。
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