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IPO2025年10月14日

新規上場紹介 ファイントゥデイHD 11月5日 スタンダード 資生堂の日用品事業を継承

ファイントゥデイHD(420A)が11月5日、スタンダードに上場する。昨年12月に上場予定だったが、同社からの申し出で上場承認が取り消されていた。

もともとはパーソナルケア(日用品)を手掛けていた資生堂の(4911・P)の子会社、資生堂商事だった。コロナ禍で資生堂の業績が悪化したこともあり、2021年、英投資ファンド、CVCキャピタルパートナーズ系の「Oriental BeautyHD」に売却され、「ファイントゥデイ資生堂」としてスタート。23年にファイントゥデイに商号変更した。現在は「Oriental BeautyHD」が99.25%の株を保有している。

主にヘアケア、スキンケア、ボディケアの3分野で20ブランドを展開。ヘアケアの「fino」「TSUBAKI」、スキンケアの「SENKA」「uno」、ボディケアの「KUYURA」「エージーデオ24」などが有名。23年11月には初のヘアケア新ブランド「+tmr」も投入した。売り上げ比率はヘアケア51.2%、ボディケア23.4%、スキンケア23.1%となっている。

持ち株会社のほか国内3法人、海外11法人で構成。自前の生産拠点として、国内では埼玉県久喜市、海外ではベトナムに工場を保有する。研究開発拠点は東京都江東区にある。アジア11の国・地域を拠点にブランドを展開しており、地域別の売り上げ構成比は日本43.1%、中国・香港38%、APAC(アジア太平洋地域)18.9%となっている。アジア市場は世界最大規模のパーソナルケア市場で、今後も着実な成長が見込まれる。

技術開発、生産、販売を一貫して自社で構築し、国内外で機動的に提供している。独自の顧客意向調査の結果を開発や製品リニューアルに活用するBRS(ブランド・レゾナンス・システム)、ターゲット消費者の共感を呼ぶ差別化されたブランド戦略、コアファン層の盤石な支持を維持するための製品拡張能力が強み。

全社戦略としては技術開発、生産、販売の一気通貫の経営体制によるオペレーション効率化の追求と生産の効率化による売上原価の改善を掲げる。さらに、地域特性に応じた成長戦略で、持続的な売り上げ成長と収益性向上を目指す。中長期的にはアジア以外の新地域への拡大も想定している。

また、今回の上場にあたって、100株以上保有の株主に約2,500円相当の製品を送る株主優待も発表した。

25年12月期の業績は、売上収益1,133億3,200万円(前期比5.5%増)、営業利益136億9,500万円(同6.9%減)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=パーソナルケア(ヘアケア、フェイスケア、ボディケアなど)製品の生産、販売、マーケティング
●本社=東京都港区港南2-16-3
●代表者=小森哲郎代表取締役CEO
●設立=2021年1月
●上場前資本金=9億円
●発行済み株式数=1億1,497万5,100株(上場時)
●筆頭株主=Oriental Beauty Holding(上場前99.25%)
●公募株式数=1,292万5,100株
●売出株式数=1,581万8,700株(ほかにオーバーアロットメントで431万1,500株)
●仮条件=10月20日に決定
●ブックビル期間=10月20日から24日まで
●引受証券= 大和、SMBC日興、ゴールドマン・サックス、UBS(共同主幹事)、SBI、楽天

業績推移(連結)

売上高 税引前利益 1株利益 配当
2023.12 100,174 18,490 144.44
2024.12 107,395 6,572 9.69 176.38
2025.12(予) 113,332 11,164 73.97 25.28
※単位100万円、1株利益・配当は円、24年11月に3対1の株式併合

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