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コラム2025年11月14日

【本日のマーケット】11月14日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月14日(金)のマーケット                                                                   

11月13日のNYダウは5日ぶりに反落、ナスダックは3日続落。政府機関の再開で材料出尽くしとなり、エヌビディアやAMD、パランティア・テクノロジーズ、サンディスクなどAI・半導体関連が売られた。ボストン連銀のコリンズ総裁が「しばらくの間は政策金利を現行水準に維持するのが適切となる公算が大きい」と述べたため、利下げ観測が後退したことも影響した。ウォルト・ディズニーは7~9月期(第4四半期)の売上高がアナリスト予想を下回ったことで売られた。ネットワーク機器のシスコシステムズは2026年度の収益見通しを上方修正したことで買われた。NYダウは前日比797ドル(1.65%)安の47,457ドル。NASDAQ総合指数は前日比536ポイント(2.29%)安の22,870。S&P500指数は前日比113ポイント(1.66%)安の6,737。

米地区連銀総裁から12月の利下げに対して慎重な発言が相次ぎ米国株が下落。日本株もソフトバンクGやフジクラ、アドバンテストといったAI・半導体関連が売られた。キオクシアは第3四半期計画が物足りないという見方でストップ安。荏原は精密・電子部門の受注計画を下方修正したため一時ストップ安。三井海洋開発は3日続伸。伊藤忠食品は、米アクティビストファンドが非公開化による親子上場の解消を求める書簡を送付したことでストップ高。

スタンダード市場では、BitcoinJPNが2日連続ストップ安。助川電工は続落。フェローテックが反落。精工技研は業績予想の上方修正と配当増額で急騰した。コスモ・バイオは鶏卵バイオリアクターを用いた甘味タンパク質「ブラゼイン」の開発・製造に成功し一時ストップ高。

グロース市場では、FFRIセキュリティとフルッタフルッタ、くすりの窓口は上期好決算だったが、通期予想を据え置いたことで下落。トライアルは第1四半期がアナリスト予想を上回ったことで上昇。動物高度医療センターは業績上方修正で急騰。サインドは株主優待制度の導入でストップ高。

日足チャート上では、寄付きが高値となる陰線。ギャップダウンで5日移動平均線(5万895円)を下放れて、5万200円台まで下ヒゲを伸ばした。大幅反落となったが、下方から上昇してくる25日移動平均線(4万9836円)にはまだ距離を残している。週足では、長い上ヒゲを伴う実体線の短い陰線。先週の陰線の中に位置している。パラボリックも陽転継続、13週・26週移動平均線共に右肩上がりを描いており、上昇トレンド継続となっている。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週もたいへんな1週間でした。米国では政府機関の閉鎖が解けて経済がようやく起動し始めました。

インフレ高進か景気後退か、金利水準を巡って判断の分かれるこの時期に、世界最大の規模を誇る米国の政府組織がストップしてしまうという危うい事態はなんとか切り抜けました。

そのとたんに米国の株価が急落したのは警戒すべきところですが、少し見方を変えれば今回も訪れるべき調整局面がようやくやってきたというところです。

日本では決算発表が佳境を迎えています。今回の決算発表の特徴は何と言っても、発表直後の株価の動きが様変わりしているという点です。

プラス方向としては三井金属(5706)、エムスリー(2413)、INPEX(1605)。マイナス方向ではニッパツ(5991)、荏原(6361)。いずれも驚くほどの上下幅です。

厳しすぎる評価も多々見られますが、決算をクリアして投資家の精査が始まって、そこから新たな動きが始まってゆくことでしょう。TOPIXが新高値を更新したこの地点から、来年の動きを織り込みにかかるものと考えています。

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注目記事 Pick up
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【米追加利下げに懸念 日経平均 一時1,000円安
日本証券新聞 11月17日(月)紙面1面TOP記事掲載 

AI関連 警戒感拭えず  内需・ディフェンシブ系が支えに

日経平均(日足)

米国株の急落を受け、14日の東京株式市場では日経平均株価が一時1,000円を超える下げとなった。大引けは905.30円安の5万376.53円。

13日の米国市場ではNYダウが800ドル近い下げとなったほか、ハイテク株中心に構成されるナスダック総合指数が約2.3%の下落。政府機関の閉鎖解除で材料出尽くし感が広がったことに加え、FRB(米連邦準備制度理事会)高官から次回12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での追加利下げに関して慎重な発言が相次ぎ、AI関連を中心にハイテク株に売りが先行した。米金融市場が織り込む12月の利下げ確率は前日の60%台後半から50%台後半にまで低下している。

足元では民間のデータで補っているものの、政府機関の閉鎖が続いた影響で金融政策を判断するための材料が不足。閉鎖期間中のデータ不足などから信頼度の高い公的な経済指標が出てくるまで、相応の時間が必要とみられる。

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今日の市況概況
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11月14日(金)☆[概況/大引け] 

反落。AI・半導体関連が安い

大引けの日経平均は905円安の5万376円、TOPIXは21ポイント安の3,359ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は622、下落銘柄数は936。出来高は25億4,462万株、売買代金は6兆6,805億円。
米地区連銀総裁から12月の利下げに対して慎重な発言が相次ぎ米国株が下落した。
日本株もソフトバンクグループやフジクラ、アドバンテストといったAI・半導体関連が売られた。

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