11月21日(金)のマーケット
11月20日の米国株は反落。エヌビディアが買い一巡後に下落に転じたため、主要3指数も指数も反落した。AIを利用する企業が巨額のインフラ投資に見合うだけの収益を得られるのかといった懸念や、エヌビディア自体も売掛金が急増したため、代金の回収が進んでいないといった見方が影響した。ウォルマートは通期の業績見通しを引き上げたことで買われた。上場市場をNY証券取引所からナスダックに変更すると発表した。ナスダックへの移行は「テクノロジー重視の姿勢」を反映したもの。NYダウは前日比386ドル(0.84%)安の45,752ドル。NASDAQ総合指数は前日比486ポイント(2.15%)安の22,078。S&P500指数は前日比103ポイント(1.56%)安の6,538。
前日の米国でエヌビディアが下落したため、日本でもソフトバンクGやアドバンテストなどが大幅安となり、日経平均も一時1300円を超える下げ幅となった。ただし、プライム市場全体では上昇銘柄の方が多く、TOPIXの下げ幅は小幅にとどまった。AI・半導体関連は売られたが、不動産や自動車は買われ、ライフドリンクや朝日インテック、サイボウズ、エムスリーといった内需株が選好された。サンリオは自社株買いの発表で反発した。
スタンダード市場では、名村造船やジャパンエンジン、精工技研やAIメカテックが反落した。新株予約権による大幅な希薄化警戒のunbankedは2日連続ストップ安。BitcoinJは続伸。AIストームは復配を好感。東映アニメが反発し、ストライダーズは成成による保有判明で高い。
グロース市場では、免疫生物研やラクオリア創薬が利食い売りで反落した。セルシードは新株予約権の発表でストップ安。オンライン研修のSchooは大幅安。GENDAは10月売上高が高い。漫画アプリのAmaziaは3日連続ストップ高。10月に新規上場のインフキュリオンが上昇。。
日足チャート上では、上下に短いヒゲを伴う陰線。下向きの5日移動平均線(4万9202円)を下放れて、4万8000円台の推移となった。売り圧力が強く、25日移動平均線(5万98円)までは距離ができてしまった。来週は早晩に5日移動平均線を捉え、25日移動平均線を回復できるかがポイントとなる。週足では、上下にヒゲを伴う陰線。3週連続の陰線となり、調整局面をうかがわせる。下方から上昇してくる13週移動平均線(4万7179円)が視野に入って来た。
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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。為替市場で円安が止まりません。1ドル=157円後半まで円安ドル高が見られました。この間の長期金利は一貫して上昇しています。
木曜日はエヌビディアの好決算を受けて株価が上昇していたので目立ちませんでしたが、金曜日は株価も急落してトリプル安の状況となっています。
急激な現在の円安の要因は、高市政権が策定している経済対策にあると見られています。減税を含めて21.3兆円、一般会計だけで17.7兆円もの金額に膨らんでいます。
先週まではどんなに膨らんでも14兆円、とされていましたが、知らない間に4割近くも増えています。現在の経済環境において、果たして誰がそこまでの景気刺激策を要めているでしょうか。
円安を食い止めるために為替介入が取り沙汰されています。しかしこれも日銀が政策金利を引き上げることの方が先ではないでしょうか。
利上げを行った上でそれでも円安が止まらない場合に、伝家の宝刀である為替介入に踏み切るのが妥当な判断といえます。高市政権は果たして本気で「責任ある財政政策」の看板を推し進めようとしているのか。またしてもこの部分で考えが回らなくなってきます。
来週は週初から波乱相場が待ち受けている、そんな不穏なムードに支配されてしまいます。救いは内需関連株を中心に、新高値更新銘柄が急増している点です。事業の構造的な変化を市場がしっかりと受け止めている証しととらえることができそうです。
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注目記事 Pick up
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【“エヌビディアの呪い”を越えて…】
日本証券新聞 11月21日(月)紙面1面TOP記事掲載
「上昇特異日」25日は急反発も!?
やはり“エヌビディアの呪い”は生きていた…。
18日付本紙2面でも紹介したが、「未明にエヌビディア四半期決算が発表された日の日経平均」は上昇確率が非常に高い(直近10回で8勝2敗)半面、その後はいったん上げ分を帳消しにする急落に見舞われがち――とのジンクスは今回も踏襲されることとなった(表①参照)。当日の上昇は、「事前の警戒売り」→「大過なくイベント通過し買い直し」で毎度のパターン。その後の調整要因は様々だが、海外の注目イベントを真っ先に東京市場が織り込む際には往々にして“逆の目”が出がちではある。
とはいえ実際には、「日経平均1,198.06円安の急落」といっても、例によってアドテスト、SBG、東エレク3銘柄の下落寄与度が合計1,325.66円に達しており、プライム市場全体で上昇銘柄の比率は77.5%に達するなど、「日経平均」と「全体相場」のカイ離が目立つ相場展開となっている。
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今日の市況概況
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11月21日(金)☆[概況/大引け] 
日経平均は1198円安だが、プライム市場では上昇銘柄数の方が多い
大引けの日経平均は1,198円安の4万8,625円、TOPIXは1ポイント安の3,297ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,251、下落銘柄数は321。出来高は33億7,217万株、売買代金は8兆9,565億円。
前日の米国でエヌビディアが下落した。AIを利用する企業が巨額のインフラ投資に見合うだけの収益を得られるのかといった懸念や、エヌビディア自体も売掛金が急増したため、代金の回収が進んでいないといった見方が影響した。
東証でもソフトバンクグループやアドバンテストなどが大幅安となり、日経平均も一時1,300円を超える下げ幅となった。
ただし、プライム市場全体では上昇銘柄の方が多く、TOPIXの下げ幅は小幅にとどまった。
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