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IPO2025年11月25日

新規上場紹介 スタートライン 12月22日 グロース 障害者雇用支援のパイオニアとして革新的サービスを提供

スタートライン(477A)が12月22日、東証グロース市場に新規上場する。

障害者の「雇用支援」と「就業支援」にフォーカスし、障害者の働き方、新しい職域開発、働く場所の創出、継続的な支援に取り組んでいる。

強みの一つが「支援力」。障害者支援の研究機関を有し、職業リハビリテーション技術を研究・開発。支援力を付けた支援員が200名以上おり、公認心理師、精神保健福祉士、社会福祉士など有資格者も多数。こうした支援員が障害者雇用の現場で2,359名の障害者、345社の企業を支援している。

「職域開発力」も強み。障害者の働き方や職種の選択肢拡充に向け、新たな業務のパッケージ化や既存業務の切り出しを行い、多様なサービスラインアップを実現。コーヒー焙煎、植物栽培、ハーブティー加工、オフィスワーク、コールセンターの対応品質、パン販売、靴磨きなど豊富な選択肢から選べる状態を作っている。

中で「BYSN(バイセン)」は、コーヒーの焙煎業務を通して障害者の職域開発とスキルアップを支援する障害者雇用支援サービス。利用企業に雇用された障害者は、BYSN専用のプロ仕様焙煎機で高品質なコーヒー豆を作り上げる。拠点にはカフェと同様の設備があり、障害者はワークサンプルを通じてスキルアップのトレーニングを行う。将来的にはコーヒーマイスターなどの資格取得をサポートする。

収益は「採用支援」「初期研修」「焙煎機販売」はワンタイムで発生し、「サービス利用料」が利用開始月から毎月発生するサブスクリプション契約。拠点は東京、埼玉、神奈川、大阪、兵庫、新潟にあり9月末で9拠点。今後も人口10万人以上の市区町村に継続的に出店する。契約社数は75社以上、支援している障害者数は401人。

「IBUKI」は屋内農園型障害者雇用支援サービス。熱中症リスクや天候の影響を受けにくいように、倉庫などの屋内に植物栽培装置を設置し、障害者はハーブや葉物野菜を栽培。企業の用途に合わせてハーブティー、青汁、カレーなどに加工し、各利用企業にて活用されている。

収益のうち、「採用支援」、「初期研修」はワンタイムで発生し、「サービス利用料」は毎月発生するサブスクリプション契約。「植物栽培装置」はレンタル・購入・リースの3パターンから選択する。拠点は東京、神奈川、埼玉、千葉、大坂に23拠点。契約社数は200社以上、支援している障害者数は1,426人。ニーズは旺盛だが、電気代や初期開設費用が上昇し、収益性がBYSNと比べ低いため、当面は出店を見合わせる。

「INCLU」は郊外に完全バリアフリーなサテライトオフィスを開設し、支援員が常駐して継続的な支援を行う。車いす利用者は満員電車に乗る負担が大きく、精神障害者の一部は満員電車でパニックになるなど、障害者は働きたくても通勤面で長く働けない、企業も障害者を採用したくてもなかなか採用できず、採用できても定着が難しいとの課題があり、その解決を目的としたもの。東京、神奈川、埼玉、大阪に13拠点、契約社50社以上、464名の障害者が利用している。

これら雇用支援ノウハウをもとに各社の課題に合わせたプランを設計・提供するコンサルティングサービスなども行う。上場に伴う公募増資で調達した資金は、BYSNの新規出店、手元運転資金に充てる予定。(Q)

概要

●事業内容=障害者の雇用支援および就業支援事業
●本社=東京都三鷹市上連雀1-12-17
●代表者=西村賢治代表取締役社長
●設立=2009年12月
●上場前資本金=2億9,996万円
●発行済み株式数=391万2,000株(上場時)
●筆頭株主=ストーン(上場前40.6%)
●公募株式数=140万株
●売出株式数=6万株(ほかオーバーアロットメントで21万9,000株)
●仮条件=12月4日に決定
●ブックビル期間=12月5日~11日
●引受証券=みずほ(主幹事)、SBI、SMBC日興、楽天、極東、松井、岩井コスモ、東海東京、丸三、水戸

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2024.3 3,606 71 16.95
2025.3 4,470 228 57.36
2026.3(予) 5,640 319 63.53
※単位100万円、1株利益は円。24年3月期は連結

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