フツパー(478A)が12月24日、グロースに新規上場する。
「最新テクノロジーを確かな労働力に」をミッションに、人手不足やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの課題に直面している製造業向けに最新技術のAIを利用したサービスを開発、販売している。
主力は外観検査自動化AI「メキキバイト」をはじめとする画像認識AIサービスで、売上高比率は72%に上る。顧客の製造ライン、検査対象に適した照明・カメラなどの選定から設置までの光学設計、検査対象の不良検出のための最適なAIモデル構築と不良品排除機構連携、導入後の運用管理までを一気通貫で提供。AI判定は現場にある産業用PCに搭載した「エッジAI」で安定稼働、高速処理ができる。また、運用ではクラウドシステム「Hutzper Insight」(フツパーインサイト)を管理アプリケーションとして提供。顧客自身でAIモデルの精度向上、品質管理が可能になる。
次いで顧客保有のビッグデータを活用してAI構築を支援する「カスタムHutzperAI」などの分析AIサービスが売上高比率24%、このほか、人員配置最適化AIシステム「スキルパズル」、蓄積された社内ナレッジをネット接続不要で活用でき、業務に最適化された生成AIと対話をできるようにするローカル生成AIソリューション「ラクラグ」を手掛けている。
ハードウェアの選定、設置、現場機器へのAIの組み込み、生産設備やロボットなどとリアルタイムに連携可能な点が、クラウド型の競合他社と差別化されている。導入後もIoTでデータが蓄積されるシステムをセットで提供しており、AI学習用データ収集に関する特許も取得している。また、これまで蓄積したデータ資産と設備設計からAI導入まで一気通貫で提供している体制が、高い参入障壁になるとしている。DX支援、分析AIサービス市場が拡大する中、今後も高い需要を想定する。
今12月期の業績予想は売上高12億6,900万円(前期比2.1倍)、経常損益3億4,600万円の黒字(前期は6,500万円の赤字)と、創業1年目に達成して以来、5期ぶりの黒字浮上を計画している。(HS)
概要
●事業内容=製造業向けAIサービスの提供①外観検査自動化AI「メキキバイト」②AI受託●開発サービス「カスタムHutzperAI」③人材配置最適化システム「スキルパズル」など
●本社=大阪市淀川区西中島1-11-16
●代表者=大西洋代表取締役社長
●設立=2020年4月
●上場前資本金=2億3,965万円
●発行済み株式数=1,004万株(上場時)
●筆頭株主=大西洋氏(上場前26.4%)
●公募株式数=125万株
●売出株式数=213万7,000株(ほかにオーバーアロットメントで50万8,000株)
●仮条件=12月8日に決定
●ブックビル期間=12月9日から15日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、三菱UFJモルガン・スタンレー、楽天、松井、ひろぎん、東海東京、中銀
業績推移(単独)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2023.12 | 309 | ▼111 | ― | ― |
| 2024.12 | 602 | ▼65 | ― | ― |
| 2025.12(予) | 1,269 | 346 | 30 | ― |
| ※単位100万円、1株利益は円、▼は損失 | ||||
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