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コラム2025年11月28日

【本日のマーケット】11月28日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

11月28日(金)のマーケット                                                                   

11月27日の米国株式市場は感謝祭の祝日で休場。

前日の米国市場が休場で手掛り材料難だったが、日本企業の中間配当が約8.8兆円と大きいことが下支え要因。三井E&SはGS証券による新規「買い」判断で大幅高。レアアース・レアメタル関連の三井海洋開発と大平洋金属が高い。日中関係の悪化で三越伊勢丹などインバウンド関連は安いが、ヨシムラ・フードは中国が輸入しなくても世界でホタテの需要が強いため買われた。中越パルプは来年度からの配当政策の変更が好感。JX金属は野村証券が格下げし下落。

スタンダード市場では、低位株の大黒屋が人気。ウイルコは東証が監理銘柄(確認中)を解除したため急騰した。造船関連の名村造船とジャパンエンジンが高い。イーソルは任天堂「スイッチ2」のデータ管理ソフトウェアに採用されたためストップ高。アサカ理研は反落し、助川電工も一服。

グロース市場では、免疫生物研は4日連続ストップ高。ラクオリア創薬はアステラス製薬との共同研究で標的を追加し一時金4億円を受領するためストップ高。直近新規公開株のHUMAN MADEが高い。グリッドはAI配船計画最適化システムで年初来高値。データセクションとnoteは反落。

日足チャート上では、下ヒゲを伴う実体線の短い陽線。11月17日以来、8営業日ぶりに25日移動平均線(5万228円)上に浮上して今月の取引を終えた。名実とも師走相場となる来週以降の動きが注目される。週足では、長めの下ヒゲを伴う陽線。4週ぶりの陽線を引き、高値圏で大引けを迎えた。来週以降の12月相場に期待をつなぐ形となった。月足では、4月以降の連続陽線記録が途切れ、8ヵ月ぶりに陰線を引いた。急騰後のスピード調整の11月相場だった。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。今週もマーケットには様々な変化が見られました。

感謝祭を迎えた米国では政府機関の閉鎖が解かれて、経済統計が一斉に発表になっていますが、注目された小売関連のデータはいずれもあまり良好な結果ではありません。

しかし株式市場における小売セクターの株価は実にしっかりしています。統計の数値と実際の米国社会の市民生活がほとんど連動していないような不思議な現象が起きています。

それだからなのか、米国の株式市場は堅調さを見せています。12月FOMCにおける政策金利の引き下げ気運がまたもや高まってきました。株式市場にとって喜ばしい状況です。

日本のマーケットで顕著な変化といえば、東証プライム市場の小型株指数が最高値を更新した点です。中型株指数も同様に新高値に進んでいます。

日経平均以上にTOPIXベースの回復が進んでおり、そのTOPIXもあとわずかというところで最高値に手の届くところに来ています。半導体セクター、および生成AI関連株への極端なまでの集中度が薄れており、代わって買い意欲の強さが他の銘柄、物色テーマにほとばしり出ています。この点こそが今週最大の変化ではないでしょうか。

投資家層の広がりが感じられます。来週は12月相場のスタートを切りますが、日本株も年末一段高の期待ががぜん広がってきたような気配を感じます。

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注目記事 Pick up
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【AIロボティクス 国策として推進 新たな中核産業へ
日本証券新聞 12月1日(月)紙面1面TOP記事掲載 

構造的な人手不足に対応

セック(3741・日足)

11月最後の取引となった28日の東京株式市場は前日の米国市場が感謝祭で休場だったこともあり、全般小動き。月間ではTOPIXが8カ月の上昇となった一方で、AI・半導体関連株にバブル懸念が広がった影響が大きかった日経平均株価は8カ月ぶりに下落した。

生成AI関連銘柄に関しては足元で調整一巡ムードが台頭しつつある一方で、ゼネコン、不動産、銀行などに物色が広がり、相場全体の底上げが進んでいる。師走相場でも活躍が期待できそうだ。一方、中期的には高い成長が期待されるAIはロボットを活用した製造現場への導入などにも関心が高まっている。これまでの「生成AI」に加え、「フィジカルAI」「AIロボティクス」などがキーワードになりそうだ。

AIロボティクスに関しては経済産業省が検討会を立ち上げ、国策として推進する準備を進めている。10月には戦略の方向性の骨子がまとめられ、公表されている。

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今日の市況概況
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11月28日(金)☆[概況/大引け] 

中間配当の再投資期待が支えに

大引けの日経平均は86円高の5万253円、TOPIXは9ポイント高の3,378ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は1,173、下落銘柄数は380。出来高は18億9,677万株、売買代金は4兆6,995億円。
前日の米国市場が休場で手掛り材料難だったが、日本企業の中間配当が約8.8兆円と大きいため、再投資への期待が支えとなった。

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