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IPO2025年12月29日

IPO社長会見 リブ・コンサルティング 生成AI普及は短・中・長期的に事業にプラス

リブ・コンサルティング(480A)が12月25日、東証グロースに上場した。初値は公開価格を40%上回る1,400円。同社は中堅中小企業向けを主力とする総合コンサルティング会社。上場当日の記者会見で関厳代表取締役=写真=が語った内容は次の通り。

中堅中小・ベンチャー・大企業から収益を上げる唯一のコンサル会社

“100年後の世界を良くする会社”を増やす――をミッションに、戦略から実行までの総合コンサルティング業務を提供。顧客層は中堅中小・ベンチャー・大企業の3つ。この3つから収益を上げている唯一のコンサルティング会社と自負する。売り上げ構成比は中堅中小42%、大企業34%、ベンチャー24%。

伴走に強み

企業の経営層が新しいことをやろう、既存モデルを変革しようとしても社内にできる人がいなかったり、そもそも人手不足のため本業で動いている人を新規事業や企業変革になかなか引っ張ってこられないのが実情。こうした変革や新企業を企画し、伴走できる人材はどの会社でも不足している。それをわれわれは現場主義/成果主義のもと提供している。もともと中堅中小、ベンチャーの支援からスタートしたため、現場に入り泥くさく数字をつくったり、生産現場を回ったりといった現場から逆算して戦略をつくり、伴走することに強い。これが今、企画人材や実行人材が足りなくなっている企業にうまくささっている。

支援実績豊富

高い顧客満足度を支えているのが支援実績。累計1万件と社歴に対して圧倒的に多い。抽出した経営ノウハウをテクノロジーによって引き出し、過去のナレッジを使いながら問題を解決している。また、大企業、中堅中小、ベンチャーとそれぞれが知りたいことが異なる。例えば大企業は新規事業する時にベンチャーのナレッジ、ベンチャーは地方展開する時にどのようなニーズがあるかなど。われわれは3つの顧客層を持つことから深掘りできる。

実力があれば若いうちから活躍

この業種は良い人材をどのぐらい獲得できるかが勝負。われわれ々はHR(人的資源)領域にかなり力を入れており、特に採用に強みがある。既に採用において様々なアワードやランキングで受賞対象になっている。例えば外資就職ドットコムの2027年卒就活人気企業ランキングでは、外資系ファームと総合商社以外でトップ10入りしたのはほぼ当社のみ。一定の認知があるといえる。YouTubeに自社チャンネルを持ち独自に発信しているほか、若いメンバーでも早期に活躍できる点が非常にヒットしている。ほとんどのコンサル会社は大企業にサービスを提供し、ビッグプロジェクトは年配者が中心を担い、若手は作業をする傾向にある。一方、当社は実力さえあれば若手でも2、3年でプロジェクトリーダーやマネージャーになれる。このため意欲あるメンバーが入り、かつ、2、3年で一人前にならないといけないということで一生懸命に学ぶ。こうした点も強み。

成長戦略

コンサルティング業界は年率10%前後で成長。このため、まずは本業での顧客(案件)獲得と人材獲得にこれまで以上に強化する。また、ここ伸びているIT・DX(デジタルトランスフォーメーション)コンサル領域をM&Aも含めて強化していく。業績は直近5年間平均で売上高20%超の成長を続けてきた。今は売り上げ成長とともに営業利益率のアップもできる。今後も売上高、営業利益の両方を継続的に成長させていきたい。

社員増と一人当たり売り上げ増

売り上げ20%前後の成長継続を考えた時、想定離職率15~20%で売り上げを20%増やそうとすると(期末従業員数に対し)35%前後は採用が必要。新卒、中途、未経験、経験者と合わせて確保していく。一方で一人当たり売上高は上げられるステージにあり、利益率向上の一つのキーにもなる。極論すると20%売り上げ増を、15%の社員増と5%の一人当たり売り上げ増でつくることをベースにしている。コンサルは外資のビジネスなので毎年、同じランクの人の値段が上がり、われわれは4、5%上げていく。

生成AIの影響

「生成AIの普及でコンサルの仕事が無くなる/無くならない問題」に関しては、今後3年間は間違いなく無くなるよりも増える可能性の方が高い。生成AI導入の仕事がとんでもなく多いためで、どのコンサル会社も果実を得られ伸ばしていこう。その先はわれわれはかなり有利になる。導入が進み過ぎた挙げ句コンサルが切られるということがどこから進むかといえば導入に投資をした大企業から。われわれが主力とする中堅中小企業では、生成AIによりかなり業務が効率化されコンサルを使わなくても成り立つのは、10年、20年経ってもなかなか来ないのではないかとみている。生成AIの普及は業界としては短中期的にプラス、われわれにとっては中長期的にもプラス。社内の生成AIによる業務効率化度合いはとんでもないレベルになり、労働時間は短くなっている。コンサルは長時間労働が多かったが、早く帰れるようになってきているため今後も若い方からの業界人気は続きやすいとみている。(Q)

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