「人」を磨いて利益率さらに向上
オオバ(9765・P)に注目したい。1922年に創業した建設コンサルタント会社。100年を超えて蓄積したノウハウを「まちづくり」に注ぎ込む同社は、政権が代わろうとも揺るがない国策・国土強靭化の領域において確固たる存在感を放つ。
――業績が好調だ。
1月9日に発表した2026年5月期の第2四半期(6~11月・2Q)は売上高が前年同期比11.9%減の73億8,000万円、営業利益は同2.9%増の8億1,400万円だった。
第1四半期(6~9月・1Q)に続いて減収とはなったものの、前期に発生した一過性の大型案件の反動による影響を吸収し、営業利益は1Qの36.2%減からプラスに転じている。営業利益率も11%と、1Qの5.9%、あるいは前期2Qの9.5%からも大きく改善した。
通期では営業利益で前期比3.3%増の20億円と15期連続の増益を計画している。2Qの進捗率は40.7%にとどまるが、当社業績は下期偏重型であり順調な推移と言える。
――利益率の向上、要因は?
案件の利益率そのものが高まっている。長期案件についても契約内容の見直し、具体的には、単価の見直しを毎期、行える形態に順次変更している。
技術者単価の上昇も追い風だ。国土交通省が発表する設計業務委託等技術者単価は令和7年度には前年度比5.7%増と、令和6年度の同5.5%、令和5年度の同5.4%から年々上昇している。ちなみに令和7年度は平成24年度比では58.6%増となった。令和8年度の引き上げも予想される中、建設コンサルタント業界全体の収益に貢献するものと思われる。
――競合は多い。強みは何か。
「100年企業」として培った歴史・伝統・実績だ。当社は官公庁中心に設計・施工分離の原則が定められている国内の建設業界において、計画・調査・設計など、ゼネコンが手掛ける工事施工の「前段階」を担う。
中でも得意とするのが「まちづくり」。都市計画や区画整理など、単一施設にとどまらない大規模な基盤整備事業と連携した案件を手掛けている。
「まちづくり」において、豊富な経験と高い技術はもちろんのことだが、実はもっとも欠かせないのが「合意形成に向けた調整力」だ。地域住民、行政、事業主など関係者間における合意形成が欠かせない。これをスムーズに進める高い調整力を、オオバはワンストップで提供している。
――今後について。オオバが勝ち続けていくための戦略は?
人的資本等への投資を積極的に行い、さらに「技術力」を高めていく。これを可視化したのが「資格」だ。有資格者数は非常に重要で、単価向上はもちろんのこと、官公庁の一般競争入札で有利に働く場合も多い。
技術士、1級建築士や海外でも通用するAPECエンジニアなど資格の保有者は2017年5月期の320人から、25年5月期には517人まで増加した。28年度には650名体制を目指している。
――改めて市場環境を確認しておきたい。
国土強靱化は重要な国策だ。予算は、令和3年から7年には15兆円程度だったものが、令和8年から令和12年は20兆円強程度と1.3倍強に引き上げられている。
防衛関係も年々強化されている。当社では主力の建設コンサルタント業務において、震災復興関連業務といった官公庁向けに加えて、自衛隊基地の最適化に伴う基本方針(マスタープラン)策定等の防衛土木業務、いわゆるミリタリーエンジニアリングも積み上がっている。
日本が保有するべき防衛力の水準などを示した「防衛力整備計画」。このうち「施設の強靭化」については、前回計画2019~23年の約1兆円から、23~27年では4兆円と4倍に増強された。
まちづくりのオオバならでは」の強みを活かし、社会課題の解決に向け、防衛土木業務をはじめ農業土木業務や森林土木業務等の新市場・新規業務の開拓に挑戦していきたい。
――最後に株主還元について聞きたい。
今期は、年間配当については前期と同額の42円を計画し、自己株取得については1月までに1億200万円を取得済みだ。
28年5月期を最終年度とする中期経営計画では、総還元性向60%程度、配当性向50%程度を掲げている。前期は自己株取得(1億7,300万円)を実施したことで総還元性向は63%に上昇した。
配当については最終年度となる28年5月期で営業利益24億円を達成した場合、年間48円程度をシミュレーションしている。

