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インタビュー2026年3月12日

【速報版】櫻井英明の<愛アール>注目企業トップに聞く 第16回 鈴茂器工(6405・東S)

「米飯」加工製品、国内外で「大きな伸びしろあり」

今春の新工場稼働でキャパシティ倍増

エコノミスト櫻井英明が注目する企業のトップにインタビュー。今回は鈴茂器工(6405)の谷口徹社長。『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』というビジョンのもと、世界中で日本食の魅力を発信。省人省力化ニーズと日本食市場の世界への拡大を背景に注目が高まっている企業だ。

――創業来、追求する「テーマ」があると聞きました。
「お寿司が、誰でも日常的に食べることができる社会・生活」。当社はこうした社会を想像し、実現したいとの思いから、1981年に世界初の量産型・寿司ロボットを開発しました。

当時の寿司は高級食。非日常の食事でしたが、当社の寿司ロボットが全国に普及したことで、事業者が「食」を事業として興し、発展・拡大していきました。これに合わせて、いつでも・どこでも、誰でも、安く、おいしい寿司を食べることができる社会、いわゆる「寿司の大衆化」が実現しました。

さらに当社は寿司にとどまらず、おむすびや丼など「豊かで、多様な、食生活を楽しむことが できる社会を実現する」を想像。温かくふんわりとご飯を盛り付ける「Fuwarica(ふわりか)」など、様々な米飯加工製品を提供し続けています。

――米飯加工製品の「現状」はいかがでしょう?
当社の寿司ロボットは国内シェアが約80%、海外でのシェアが約40%あります。ご飯盛付けロボットの国内シェアは約90%ありますが、海外はまさにブルーオーシャン。食品工場向けの大型機は国内シェアが10%にとどまるなど大きな潜在需要が見込まれる製品です。

近年は国内の寿司ロボットの深耕拡大に努めています。寿司ロボットは成熟期にありますが、“付加価値”製品への需要は現場感覚と創意工夫で、まだまだ期待できると考えています。

ご飯盛付けロボットFuwaricaは裾野が拡大しています。象印と昨年の大阪・関西万博で提供したおにぎりは人気を集めました。大手コンビニベンダー向け製品も今後育ってくると思われます。

――海外はいかがですか?
北米では大手スーパー店舗内調理のオペレーションが好調です。アジア全般は安定成長しており、拡大基調にある国もあります。日本食が多様化している欧州では市場拡大に取り組んでいます。いずれにしても潜在需要は底堅く、これからも新たな付加価値の向上に戦略的に取り組んでいきたいと考えています。

――単なる製品販売にとどまらず「ソリューション販売」にまで進化させています。
米飯加工機械については「上流(洗米・炊飯)から下流(加工)まで」をターゲットに“付加価値”を増加させようとしています。具体的には、米飯自動加工「以外」の自動化機器も開発していく方針です。

外食やスーパーなど店舗省人化システムも拡大したいと考えています。いずれも底流にあるのは単体製品あるいは製品連携による高付加価値化、そしてAIなどを活用したシステムラインアップの拡充です。顧客の事業課題の解決を推進するための具体策となる製品やサービスを、共同開発など外部企業との協業を拡大させつつ実現していきます。

――今春には新工場が稼働します。
埼玉県鶴ヶ島インターの近くに敷地面積3万6,137平方メートル、延床面積8,237平方メートルの新工場がこの春に稼働開始予定です。生産方式は熟練工によるセル方式からライン方式に変わり、生産キャパシティは現工場の2倍以上を目指しています。当然ながら生産改善に伴う原価低減にも取り組みます。土地はまだ空いており、今後の需要動向や財務状況を鑑みて増設も視野に入れています。

――今後の「志」をお聞かせください。
当社の本質的価値は「単に機械を売るのではなく、お客さまの事業を強くする」こと。進化と深化。既存事業の価値を生かしながら、食文化における新しい価値を、これからも創造していきます。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。