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インタビュー2026年4月3日

【速報版】トップインタビュー 高千穂交易 代表取締役社長 井出尊信氏 データセンター向けのセキュリティサービスで外資系に圧倒的な強み

世界初のランサムウェア対策プラットフォーム「Halcyon(ハルシオン)」に引き合い急増

1952年に創業した高千穂交易(2676・P)は土木建築機械の輸入販売からスタートし、今日ではクラウドサービスや輸入したセキュリティ製品、半導体、機構部品を取り扱うエレクトロニクス技術商社として独自の地位を築いている。70年代から販売している万引き防止の商品監視システムや外資系企業向けでトップシェアの入退室管理システムなど多彩な商品がある。昨年6月にはランサムウェア対策に特化したサイバーセキュリティ商品を販売、好調な滑り出しを見せている。今後の戦略を井出尊信社長に聞いた。

――3月19日に2026年3月期の業績予想および配当予想の修正を開示されました。

井出 経常利益においては円安による為替差益の計上が見込まれるとともに当社が出資するベンチャーキャピタルファンドにおいて、投資先のEXITに伴う売却益が計上されたことから、経常利益は前回予想を大幅に上回る。また当社が保有する投資有価証券について、投資先の業績悪化に伴い、投資有価証券評価損を特別損失として計上する見込みのため、期末の配当予想を46円から40.5円に修正させていただいた。株主の皆さまには、深くおわび申し上げます。

――昨年発表した新中計では最終年度の28年3月期に売上高350億円(26年3月期計画300億円)、営業利益30億円(同22億円)、経常利益28億円(同24億円)、当期利益20億円(同14億円)の目標を掲げているが見通しは。

井出 利益率の高いビジネスセキュリティ分野で、データセンターや工場向けのセキュリティシステムの拡大が見込まれ、営業利益も増える見通しだ。特にデータセンター向けは受注残も積み上がっており28年3月期の売上高は25年3月期対比で2倍以上になる見込みだ。

――データセンターは国内企業のほか外資系企業の投資計画も増えているが、入退室管理システムなどで外資企業に強い理由は。

井出 当社は外資系オフィス向けの入退室管理システムでトップシェアだが、それは世界のトップメーカーの製品を長年取り扱ってきた実績があるからだ。外資系企業はセキュリティポリシーをワールドワイドで全部統一して、カメラなどの製品も同じにすることが多い。日本に進出する主な外資系データセンター十数社のうち、既に3割超で取引実績がある。セキュリティシステムの分野では50年以上の経験があるのでサブコンや設計会社と強固な信頼関係を築いてきたことも強みになっている。

――昨年6月にリリースしたランサムウェア対策のソリューションが好調のようだ。

井出 世界初のランサムウェア対策プラットフォーム「Halcyon(ハルシオン)」を6月から販売している。これはランサムウェア攻撃によるデータ流出や二重恐喝を防止するシステム。ランサムウェアがデータを暗号化する際に使った暗号鍵をキャプチャーし、暗号鍵を基に復号化鍵を作成することで感染後も迅速にデータ復旧が可能になる。開発会社は米国のスタートアップで、昨年日本の飲料メーカーを攻撃したハッカー集団の「Qilin(キリン)」が米国企業を攻撃した際には、撃退した実績があり、既にユニコーンの評価を得ている。展示会に出展したりメディアにも取り上げられたことで、多くの引き合いが来ている。当社はシリコンバレーに拠点を置いており、早くからその技術に注目し、日本企業で唯一投資もしている。新中計では成長投資として60億円の枠を設定し、資本業務提携やシナジーのある会社とは積極的に協業していく方針だ。また2030年までには海外の売上比率を現状の倍にしてグローバル化を進めていく。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。