KOMPEITO(618A)が9月11日、東証グロースに新規上場した。初値は公開価格を7.5%下回る1,480円。同社はオフィスに設置した冷蔵庫・冷凍庫でサラダや弁当など健康的な食事を提供する設置型健康社食「OFFICE DE YASAI」を軸とした食の福利厚生サービスを提供している。上場当日の記者会見で渡邉瞬代表取締役CEO=写真=が語った内容のポイントは次の通り。
みんなの要望に応えていったらこうなった
2012年に創業し、14年4月にローンチした「OFFICE DE YASAI(以下、オフィスで野菜)」が主力事業。前職の日本能率協会で農業セクターのコンサルチームに入り、そこで野菜流通の課題を感じ、新しい流通モデルを作って農業地域を活性化したいという思いをもって創業した。その後は野菜のEC(電子商取引)サイトを作ったり、麻布で酒屋の一角を借りて八百屋をしたりしていた。八百屋の時、夕方売れ残った野菜を知り合いの会社に持っていくため歩いていたら、ビースタイルHD(302A・G)の三原邦彦社長に、「満員電車に乗り大根などを持って帰るのは大変だから、その場で食べられるようにした方がいいのでは」とアドバイスされて始めたのが「オフィスで野菜」。最初は自転車を漕(こ)いで会社に届けさせてもらっていて、そこからサラダを食べたい、果物を食べたい、もっとお腹にたまるものが欲しいといった要望に応えていったら、気づいたら社食になった。小さい会社は自社で社食を作れないという悩みがあり、それをわれわれのサービスで解決できる。このようにみんなの要望に応えてきた結果、26年8月期末で導入社数が7,000社程度になる見込み。
顧客企業は福利厚生の一環で導入
「オフィスで野菜」はコーヒーマシンやウオーターサーバーをイメージしてもらえれば分かりやすいと思う。契約相手は企業で年間契約のストック型のビジネスモデル。冷蔵庫、冷蔵庫をオフィスにレンタルさせていただき、そこにサラダ、フルーツ、ハンバーグ、カレー、スムージー、ゆで卵、サラダチキン、焼き芋などを定期的に届けさせてもらう。従業員は食べたい時に冷蔵庫から取り出し、コンビニエンストアで300円前後で売られているようなものを100円で購入できる。その裏側では企業が福利厚生として補助している。ARPUは1社当たり年136万円。解約率は月次で1.2%。冷蔵庫を1回貸すとなかなかよけさせられないサービスになっている。商品のほとんどを200円に設定しており、従業員は100円で購入、もう100円は企業が負担する形になる。顧客業種は幅広いが、地方の工場、建築現場の休憩所、病院・クリニック、物流センター、ホテル、薬局、カーディーラー、鉄道系に導入させていただくケースが多い。人が多く、拠点が複数あり、人が張り付いている業態からの評判が良い。
強み
顧客は代理店モデルで増やしている。主に地域金融機関を中心に、地域商社、ガス会社、営業会社と提携し、彼らのお客さんにわれわれのサービスを紹介していただき、フィーをお支払いしている。現在、月間で200社強を新規獲得している。サラダやフルーツなど生鮮品の工場は北海道から沖縄まで現在7拠点。ハンバーグやスムージーなど加工品は契約メーカーから仕入れ、それを生鮮工場近く物流センターでオフィスごとに仕分けをしてお届けしている。こうした営業と、多種多様な生鮮品を北海道から沖縄まで各地域にお届けできるサプライチェーンが強み。例えば千葉で収穫した野菜を千葉の工場で加工して関東エリアのオフィスにお届けし、地産地消で野菜を食べるという取り組みをしている、といった点が地域の金融機関にも応援してもらえるところと考えている。営業連携先は現在270社。営業連携先にそれほど高いフィーを払っているわけではない。サービスを使ってみないと分からないという不安はあるためトライアル期間(2カ月)を設けており、トライアル導入で1社当たり5万円のフィー、その後に年間契約に移行していただいたら冷蔵庫1台当たり5万円のフィーをお支払いしており、10万円程度で1社獲得できる状況。
26年8月期から黒字化
業績はコロナ後、売り上げ、導入社数ともにしっかり成長している。25年8月期まで赤字だったが、売上高、粗利益が高まり固定費圧縮と原価改善によりリクープライン(損益分岐点)を超え、26年8月期から黒字化している。業績はまだまだ伸ばせると思っている。事業所向け給食市場は1兆円規模。その市場は中規模・大規模オフィスの社食、弁当で構成されている。われわれのサービス提供先は弁当のデリバリーもないような会社が多く、そうした会社は70万社と見込んでいる。それをわれわれのARPUを掛け算すると1兆円弱のマーケット規模。これに対しわれわれのARR(本契約顧客の月次売上高を12倍して算出)は90億円程度で1%程度しかマーケットシェアをとれていない。ここから5%、10%と伸ばしていきたい。
物価高も追い風
マクロ環境では、①税制改正(非課税になる食事補助金額が従業員1人当たり月3,500円から7,500円へ引き上げ)②物価高(外で食べるより同社サービスを使った方が安く食べられる)③健康志向――など追い風が吹いている。サラダなどは健康イメージが強く、企業が健康経営を進めていく上で、コンテンツの一つとしてわれわれのサービスを導入いただくケースは結構多い。中小企業に定期的に食品を届けるという物流網は他になく、独自でオンリーワンの配送網を作り込み、サービス提供していきたい。また、福利厚生のサービスを有形無形を含めて自社開発、M&A含めて実行し、顧客1社当たりの売上高を膨らませる取り組みをして、食と健康のインフラ企業になっていきたい。昨年からアメリカでもチャレンジしており、グローバル企業と認識をされるような企業体になっていけるよう、これから一気に成長していきたい。(Q)

