トグルホールディングス(652A)が10月30日、グロースに新規上場する。
不動産市場に流通していない土地の中から新たな開発用地を創出する「Land Creation」と、企業内に蓄積される会話、判断および知見を業務の実行につなげることで効率化・収益化を図る「Agentic Platform」の2つのサービスを展開。現在の収益のほとんどは前者によるものだが、後者は全事業の根幹を成す事業基盤として欠かせない。
Land Creationは、土地を取得してから買い手を探すのではなく、地権者の売却意向と、複数の買い手から購入価格・価格水準を確認し、売り手・買い手へのアプローチを並行して行うことで、在庫リスクの抑制を図りながら土地の仕入れ・販売を行う。独自技術を用いて、複数の土地を一体化した「土地の価値」と開発可能性を算出することができる点が特徴だ。例えば隣接した3つの物件を所有している場合、土地ごとでは建てられる規模に限界があるが、これを併合することで、同じ広さの土地でもより大きな建物が建てられるとなれば、建物は階数が増え、建物内の床面積を合計した延べ床面積が増えるため、開発価値が飛躍的に向上する。
こうした土地の情報は市場に流通しておらず、不動産業者でも開発価値を正確に計ることは難しい。不動産業者であれば誰でもアクセスできるオンマーケット(公開情報)に対し、同社は残り99%のオフマーケットをターゲットとしており、競争が少ない。また、川下の仲介・管理・ポータルなどはデータが整備されデジタル化しやすい一方、同社が主戦場とするデータ統合・建築計算・地権者交渉などの川上は参入障壁が高く、市場規模も大きい。
現在東京を中心とした一都三県と、大阪、福岡で事業を展開。需要の旺盛な都心部に限定し、土地仕入れの資金のほとんどを銀行借入れで調達している。今後も不動産開発の成長には借入れを活用し、エクイティによる資金調達は行わない方針。なお、候補地の発掘から仕入れに要する期間は平均1年、仕入れから販売の保有期間は平均6~7カ月となっている。
Land Creationにおける主要KPIは「営業員数」と「パイプライン数」。再開発候補地の特定に加え、訪問ルート、トークスキル、提示価格の最適化など、従来は属人性が高いとされてきた領域を徹底的に自動化することで、営業員は人間にしかできない業務に専念できる体制を構築した。この結果、不動産の実務経験がない人材でも早期に成果を上げることができる環境が整っている。
Land Creationは自動化をエンジンに高い成長率での拡大が実現可能。また、Agentic Platformは自動化ツールで稼ぐビジネスではなく、自動化基盤の提供を行う中で、効率化余地の大きい企業を対象にM&Aを検討し、自社でビジネスを回すことで非連続な成長を見込むという位置付け。(SS)
概要
●事業内容=独自のAI技術を活用した再開発可能土地の仕入販売およびAIシステム/AIエージェント開発など
●本社=東京都港区六本木1-6-1
●代表者=伊藤嘉盛代表取締役
●設立=2020年6月
●上場前資本金=5,000万円
●発行済み株式数=1,476万2,285株(上場時)
●筆頭株主=伊藤嘉盛(上場前37.96%)
●公募株式数=224万4,600株
●売出株式数=112万4,900株(ほかにオーバーアロットメントで50万5,400株)
●仮条件=10月14日に決定
●ブックビル期間=10月15日から21日まで
●引受証券=SMBC日興、UBS、SBI(共同主幹事)
業績推移(連結)
| 売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
| 2025.9 | 12,353 | 926 | 48.23 | ― |
| 2026.9(予) | 25,560 | 2,517 | 138.09 | ― |
| 2027.9(予) | 43,034 | 5,851 | 274.50 | ― |
| ※単位100万円、1株利益は円 | ||||
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