春のうららかな陽気を満喫するべく、渋谷から恵比寿まで一駅歩いてみました。これまでは交通量も人通りも多い、大通り沿いを歩いていたのですが、昨年一本隣に走っていた旧東横線の高架橋跡に遊歩道が完成したことにより、その道のりは激変しました。

9月に開業した高層複合施設「渋谷ストリーム」から渋谷川沿いに約600メートルにわたって整備された遊歩道「渋谷リバーストリート」は、東急電鉄(東京急行電鉄、9005)と東横線隣接街区の権利者が主体となり進められている渋谷駅南エリアの再開発の一つ。広々とした遊歩道には、広場や、芝生、小さな菜園などがあり、美しくさえずる小鳥を見かけた際には、本当にここは渋谷なのだろうか、と驚嘆しました。ほかにも保育所認定子ども園やホテル、カフェ・バー・パティスリーなど施設も充実。実際に歩いていると、目的地へ向かう人だけでなく、デリやパンなどを買って設置されたベンチで楽しむ親子連れや、サラリーマンの姿も多く見かけ、なるほど、ここはただの遊歩道だけでなく憩いの場でもあるのだなと実感しました。

かつて関東初のターミナルデパートや東急文化会館などを次々に開業し、最近では渋谷ヒカリエや、渋谷キャストを開業してきた東急電鉄。首都高速3号渋谷線や国道246号によって分断された印象の強かった渋谷南の再開発で、新たな人の流れ、ムーブメントを創ることは出来るのか、今後の展開に注目しています。


[本紙3月25日付14面]